私は私。

マイスリーあげるから

美容整形の費用をください。

そんな私のあだ名は「整形ヤリマン」

高校に入ってから、いじめを受けた。

「不細工！」「そんな顔でよく平気でいるね」

頭に来るけど、私は言い返せなかった。

この世の終わりというくらい、自分の顔が大嫌いだ。

腫れぼったい一重

身長160センチの75キロ。

良いとこなんて、当てはまらない。

私は根が腐っている。

そんな私が整形したのは、18歳の時に二重にした。

そこから整形依存になっていってしまった。

自分の顔がとにかく嫌いで、憎たらしい。

処方された、余りのマイスリーを酒で流し込む。

昔からのいじめで、不安定が続いた。

睡眠障害、人の目がとにかく気になった。

「病気って嫌、でもマイスリーさえあえばそれでいい」

そう思っていながら、私は風俗の道に走る。

人気はそこそこだったが、本指名として切れくれないのは、本当だった。

「私がもっと可愛い、綺麗だったら…」

美容整形にすべて使った。

その状態が3か月続いた。

「お金…ない」

気づいたときには、もう遅かった。

医療ローンも組んでいて、100万オーバー。

目は全切開

鼻にはプロテーゼ

エラも削る

ダイエットのための自由診療のサノレックス

全て完璧の、美人になれたと思った。

それは、偽りだけれど。

自分を必要として、私だけを見て。

そう思いながらマイスリーをボリボリかじった。

眠れない。眠れない。眠れない。

誰か助けてください。

でも、自分でなんとかしないといけないのに。

助けてください。

私は、綺麗なはずなの。

なんで見てくれないの？

私のどこがいけないの？

美人に…なったよ。

人が振り返ってきて、一言いう。

「アイツの顔やっば」

あれ…？

でも出勤しないと…と思いながら

店舗に着いた。

「君、そんなに弄ったら、もう無理だよ、どこに行っても。」

そんなはずじゃない！！！！！！

私は美人になったはずなのに！

癇癪を起こし、全て店にカバンを投げ飛ばした。

「もうクビです。帰ってください。」

私を認めて。

お願いだから。

マイスリーを規定以上に飲んで

フェンスの外に逝った。

10階なら死ねる、頭から。

高校の時、唯一の友人がいたから

その子にだけ、こうメッセージを送った。

「仲良くしてくれて、本当にありがとう」

ああ、マイスリーが効いてきたみたい。

メッセージが帰ってきた。

「誰ですか？」

私は親にも見られずに

マイスリーもふわふわ効いて

このまま眠るように

旅立った。

一度だけでいいから

「可愛いね」

って、言われてみたかったな…