第2話 トライアングル
俺には親友がいる。それは俺が片想いをしている愛子の彼氏、勇樹。
二人は高校入学直後から、付き合い始めたらしい。
「もう、本当に二人って仲いいよね!」
「まあ勇樹は愛子と違って高校からの付き合いだけど、そんなもんかな!」
「何だよそれ……!」
「冗談だよ!」
「だよな!」
俺は二人が付き合い始めた事実を知ってから、人に愛想よく振る舞うのが得意になった。いや前から俺は「暗い」方ではない。クラスでもわりといいポジションにつけている方だし、部活もサッカー部だ。まあ勇樹もサッカー部でそれが仲良くなった理由だけど。
そして朝の登校前の会話。言外に「愛子のことは俺の方がよく知っている」というマウントを10%混ぜ、残りの90%にふんだんの笑みと親友に対する情を入れて勇樹の言う「爽やかスマイル」を俺は作った。
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