一目惚れ

　一目見て波打つ鼓動に動けない　髪を靡かせ振り返るきみ

　風が吹き感じた衝動に立ち止まる　私を見てるあなたの視線

　真っ直ぐなきみの瞳に映る僕　なぜか無性に泣きたくなった

　儚げなあなたの顔に囚われる　こんな感情私は知らない

　滲む汗　震える足を踏み出した　縮んだ距離にきみは俯く

　香り立つ　近づく距離に期待して　あなたの顔を見れなくなった

　伸ばす手は空を切って落ちていく　きみの瞳に映らない僕

　終わりゆく刹那を感じ前を向く　もと来た道を歩き始める

　目を閉じてきみの姿を焼き付ける　この一瞬を忘れはしない

　平静を装い歩くも止（や）まぬ音　この胸憶は忘れてしまおう