欠片7.『冒険の始まり』


欠片ピース7.『冒険の始まり』です!


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巨木きょぼくみずうみ



アストラの弟子となったサーチは、さっそく行動を開始した。



「では、行こう。」


「うん!」



「ん……んん?」


「──って!」

「どこに行くんだよ!!」



「故郷もねぇし。王国ももうないんだろ?」



「そうだな。」


「今から向かう目的地は、大要塞──極子水星要塞ミニマルフォートレス だ。」



「ふぅおおおお〜!!大要塞に行くのか!!」



テンションが上がるサーチだったが──



「だが、そこに向かう前に寄り道をしたい。」



「えぇ〜……。」


アストラの言葉にサーチは肩を落とす。



「何で寄り道するんだ?」



「ワタシが持っている物資が、あとわずかしかないんだ」

「このあたりで補給できないとすると……」


さえぎるようにサーチは喋り出す。



「オレさ!他の要塞には行ったことないから、なにも知らないんだよね……。」

「アストラは、この世界のこと詳しいのか!」


目をキラキラさせながらサーチは、アストラに質問した。



「キミよりは詳しい」



「……。」



「とりあえず、ここから南東にある一番近い要塞に行こう」

「実際にその目で確かめればいい」



「……。」

(我慢だ我慢〜。まだコイツがどんなヤツか分かんねぇし!)



「よーし!確かにそうだな!分かった!」

「んじゃ!行こうぜ!!」



そうしてサーチの冒険は始まった。



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南東に進み始めて3kmが過ぎた頃。


ひたすら森の中を進む2人の前に、猿に似た人型ヒトガタ機屑物ガーベマジルが1匹現れた。



猿人似屑エープか。」

「強くもない機屑物だ」


「ちょうどいい、さっそく実践だな。」



「……ゴクッ。」

「あ、ああ。」



額に汗をかくサーチは、『破片ノ銃剣ベネシオッド』を背中から持ち出して構えた。



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【時は少しだけさかのぼり歩き始めた頃へと戻る】



「キミの持っている、この破片ノ武器ウェードはなんだ?」

「あまり見ない形をしているな。」


「ああ、これか?」

「これはオレが造った銃剣じゅうけんで『破片ノ銃剣ベネシオッド』って名前なんだ!」


「よく出来てるだろ!」



「フム……。銃剣とは聞いたことがないな。」

「銃に剣をつけて意味があるのか?」



「そりゃあ……銃だけだと近接で戦えないじゃん?」


「近接攻撃なしだとキツイときもあるし〜……。」



「かといって、今のオレの体じゃあ…そんなに多くの武器は持てないし」

「切り替えて戦うなんてこともできなかったんだ。」



「だから、この銃剣を開発した!」


「たとえ銃を外しても、刃がついてあれば近距離でも戦える!!」



「なるほど。」

「対応力が上がるというわけか。」


「確かに理(り)にかなってはいるな」



「ヘヘへッ〜!そうだろ〜?」


嬉しそうに照れているサーチに、アストラはこう告げた。



「なら、キミの修行もかねて実践をしようか。」



「実践……ゴクッ…。」


草獣型そうじゅうがた機屑物ガーベマジルなら、よく狩りをしてたんだけど。」

「他のヤツとは戦ったことないんだ……」



「そうか。」


「なら、まずは基本的な構えや動きが出来ているか確認する。」

「構えろ」



「お……おっす!」



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目の前にいる猿人似屑エープは、木の上からこちらを『"ニヤニヤ"』しながら眺めていた。



(少年をただのエサとしか見ていないのだろう。)



「ワタシが教えた通りに戦え」



「あ、ああ。分かってる!」


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