欠片6.『アストラ』


欠片ピース6.『アストラ』です!


──────────────────────




「目が覚めたか」


目を覚ましたサーチは、向かいにある木の下から声をかけられた事に気がついた。

サーチがそこを見ると、白髪のポニーテールをなびかせながら、鋭い目つきの女性がこちらを見つめていた。


彼女の見た目は、瞳の色がこん色で左目と唇の下にホクロがあり、後ろ髪はポニーテールで前髪は下ろしてあるが、両サイドが長く伸びていた。

さらに頭のてっぺんから、中心の髪の束が両サイドの髪より長く、左の耳下の方まで曲がって垂れていた。


左耳には白い長方形のピアスが2つ付けられているようだ。上半身は胸の膨らみが少なめで、白色の服の上に、白いふちで囲われ、その内側は全て…こん色をしたロングコートを羽織はおっている。

下半身は太もも辺りがだぼっとしたようなズボンで、すそ先は、黒色のロングブーツの中に入れられていた。

そのため歩くのには問題なさそうだった。

腰に細いレイピアのような武器をかけ、木にもたれかかるように巨大な大剣が置かれていた。



「あんた……だれだ…?」




「あ、あのあとどうなった…!?」


「確か……岩が崩れて…血が、みんな……あっ…うぅっ…」



「うわぁぁぁ……!!!」


サーチは興奮を抑えきれず、またパニックになっていた。



「落ち着け」

「あれからもう、三日は過ぎている」


旅人[アストラ(33)]

  [種族:ヒト]



アストラは立ち上がると、サーチの元へ寄ってきた。

身長は170cmは超えているだろう。

見上げたサーチは、彼女が放った言葉に驚いていた。



「三日……」

「三日もオレは寝てたのかッ……!?」


「なぁ!!」

「みんなは!?オレが住んでる故郷はどうなったんだよ!」



サーチの問いに彼女は答える。



「滅びた」

「と、言った方がいいか。」



「オマエの故郷だけではない」

「あの巨大な機屑物ガーベマジルはルインルーナ王国も壊滅させた」



「もう王国は存在しない」




「……そん……な…」


サーチはツベチカとの思い出を思い返していた。



➖────────────────────



『サーチィ、オメぇ!!』

『まーた勝手に、オレのいない間に工房を使いやがって!!』


『次はねぇぞ、次は!』



「ヘヘヘッ!!まあまあ!いいじゃんか!」



「おやっさんも、オレを弟子にして喜んでるんじゃねーのー?」


『ニヤニヤ』したサーチのつらに、腹が立って頭にこぶしを振り下ろすツベチカ。



"ゴチンッ"!!



「イテェっ───!!!」

「何すんだよもう〜!」



『サーチ、今度もオメェの奢りだからな』


「またかよ〜……」



肩を落とすサーチをみて、ツベチカは笑って話した。



『オメェの給料は、オレの酒に使われて可哀想かわいそうだなぁ〜ガッハッハッハ!!』



────────────────────➖



「おやっさん……みんな…。」



「うぐっ……。くそッ…!!」


項垂うなだれるサーチに声をかけるアストラ。



「………」

「これからどうするかはキミが決めろ」



「………え」

(オレが……なにを……?これからどうするって…)


(もう何が何だかわかんねぇよ……クソッ…。)



サーチは、再びツベチカとのやりとりを思い出していた。



➖────────────────────



「いつかここを出て」


星屑ノ欠片ガラクタを探す旅に出る!」


「そんで、ヤツらをぶっ壊す星屑せいせつをつくるのがオレの夢だ!!」




『フンッ、オマエみたいなヒヨッコじゃすぐに死ぬわい』

『おとなしくここで破片クズの武器でもつくっとれ』



──────────────────────

──────────────────────



『あれから随分上手くできるよーになったじゃねぇか!』



「だろー!やっぱオレ、天才なんだな!ヘヘッ!」



『なーに言ってんだバカ野郎ッ!まだまだヒヨッコだっつーの!』

『調子に乗るんじゃねぇ!』



サーチの頭に、拳を振り下ろすツベチカ。



"ゴチンッ"!!



「イテェっー!!クッソ……」


「まぁいいや、そのうちおやっさんがつくるもんより スゲーのつくる予定だし!!」



『……』



『サーチよぅ……。オレはオマエのことを本当の息子のように思ってきた』

『小さい頃から見てきたから分かる』



『夢のためにいつも無茶ばっかりしやがるし』

《オマエなら…》



────────────────────➖




「オレが……決める…。か。」


自分の手を握り、静かに見つめたままのサーチにアストラが尋ねる。



「キミはどうしたい?」




「オレは……力が欲しい。」




➖────────────────────



『けどな、オマエはオレの一番弟子だ』



『だから、オマエなら絶対出来ると信じとる。』



────────────────────➖



「アイツらをぶっ壊せる……力を……」


星屑せいせつを作って──」




「アイツらをぶっ壊す力が欲しいッ!!!」




「そうか。」


「だが、今のキミではそのへん機屑物ガーベマジルにすら勝てないぞ。」

「無駄死にするだけだ。」



唇を噛み悔しそうにするサーチ。


「……なぁ。あんたは強いのか?」



「どうだろう。」

「自分ではわからない」


「だが……。かつての仲間からは認められてはいたな。」




「なら……!オレを弟子にしてくれよ!!」


「オレに……戦う知恵や技術を教えてくれ!!」




「……」


そう頼み込むサーチの眼差まなざしは真剣で、その瞳の奥は復讐に怒り、燃えるような眼をしていた。

アストラはしばらく見つめた後、目をつむるとゆっくりとひらき返事をした。



「いいだろう。」

「キミは今日から、ワタシの弟子だ。」


「名は?」



「サーチ」

「あんたは?」



「アストラだ。」



「よろしく、アストラ!!」



「ああ」



(おやっさん、みんな)


(オレのこと見ていてくれよ。)



(かたきはぜってぇとるから!あの世から安心して見守っててくれ!)



「よっしゃぁぁー!!オレはぜってぇやり遂げるぞ!!!」



「声がデカい」

「もっと静かにしろ」



「あっ…すみません…。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る