欠片5.『八天星』


欠片ピース5.『八天星はちてんせい』です!


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【──象岩亀エレマントールスの活動開始から72時間後】




【その日は人類にとって

 二度目の】

【歴史に残る大災害となる】



【八つの大要塞

 その中心国であるルインルーナ王国が──】



【一夜にして壊滅した】



その伝達は数日後。各要塞に知らせが届くこととなる。



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【ルインルーナ王国跡地より南東2641km】

【大要塞 極子水星要塞ミニマルフォートレス 室内】



「壊滅した理由の一つとして、聖騎士パラディンが不在だったことが大きいだろうな」


公爵[コマース(32)]

  [種族:ヒト]



各地の大要塞を納める公爵たちは、情報の伝達に日々追われていた。

付き添いの兵士が答える。



「そのようですね」


            ・・

「王国の最高戦力とされる八人の聖騎士パラディン

「通称──『八天星はちてんせい』」



「その一人一人が強大な力を持ち、強力な機屑物ガーベマジルをもほうむることができると言われている……」

「彼らは、ルインルーナ王国に残された伝説の武具。『星屑せいせつ』を持っていると聞きました。」


「実際。この目にするまでは半信半疑でしたが……」

「彼女の戦いを見て……。本当だったと確認できました。」


兵士が見つめる先には、一人の女性が立っていた。

白衣を羽織り、ロングスカートを着ているその女性は、こちらに振り返ると…被っていたフードの奥から6つの光輝く目が覗いていた。



「……ウフフッ」


八天星はちてんせい 水星すいせい】[メリウス・マーキュリ]

        [種族:ヒト]



公爵は彼女に構わず、兵士に先ほどの言葉について質問をした。



「八人だと…?」


「ええ」



「……確か二ヶ月前の王国会議では、九人あの場にいたはずだったんだがな」



「え?」



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【ルイルーナ王国跡地より北東に3123km】

【大要塞 農楽園要塞アグリカルフォートレス 室内】



「アンタの仕える王国が、無くなったってよ」

「これからどうするんだ?ジイさん」


公爵[ファーム(31)]

  [種族:ヒト]




「フォッフォッフォ」

「さてのぅ……残り短い余生じゃ」


八天星はちてんせい 土星どせい】[ルーヌス・サタン(62)]

        [種族:ヒト]


    ・・

「どれ。自由に生きてみるとするかのぅ。」



「それとも……オヌシが雇ってくれるかね?フォッフォ」



「ハハハッ、それも良いかもな!」



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【ルインルーナ王国跡地より北に3288km】

【大要塞 海底要塞シーベットフォートレス



『……!!これはッ……』

『すぐに近隣の各要塞に、連絡を急ぎなさいッ!!』


女公爵じょこうしゃく[ブルー・マリン(38)]

   [種族:人魚(マーメイド)]



『補給がまかなえていない要塞には、資源を配給するように!』

『分配や細かい詳細などは、アルマ!アナタに任せるわ』



「かしこまりました。マリン様」


補佐役[アルマ(13)]

   [種族:ヒト]




『ネプチューン様にも。伝えなきゃですわね』



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【──深海底しんかいてい 龍宮廷りゅうぐうてい



深い海の底にある宮廷の部屋にて、大柄な男が呟いていた。



『……王よ。』


『これから、海(セカイ)は荒れるぞ。』


八天星はちてんせい 海王星かいおうせい

  [ネプトゥス・ネプチューン(48)]

  [種族:海龍]



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【ルインルーナ王国跡地より北西2676km】

【大要塞 大気嵐要塞ストームフォートレス 屋外】



大雨が降り注ぐ中、無数の雷が鳴り響く。

雨に打たれながら、鉄塔の上に立つ人影があった。



「ダァーッハハハァッ!!」

「いよいよかァ!!!」


八天星はちてんせい 木星もくせい

  [ユピテル・ジュピターブ(51)]

  [種族:ヒト]




「……ハデにブチかまそうぜェ!!!」



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【ルインルーナ王国跡地より北東3334km】

【大要塞 氷山洞要塞アイスケイブフォートレス 山頂付近】



【──信仰しんこうの広間】


広いドーム状の空間に、天井から光が差し込んでいた。

その光の下に1人の人物が立っていた。



『ヒカリの導きは……』


『神の意志ッ…!!!』




『アァ……王も。神の導きをたがえたのだ。』


八天星はちてんせい 天王星てんのうせい

  [ウーラノス・ユラス(37)]

  [種族:堕天使]



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【ルインルーナ王国跡地より南西2916km】

【大要塞 赤土溶要塞フェリックフォートレス



【──炎炎山えんえんざんボルケーノ 溶岩窟ようがんくつ内】



暗闇の中に差し込む、赤い光に照らされた獣は。

鋭い眼光を飛ばし、その笑みからは鋭い牙が剥き出していた。

多くの毛で覆われた人物は、地面に爪をかりたてながらつぶやく。



『……オレ様を楽しませてくれるヤツはドコにいる』


八天星はちてんせい 火星かせい】[マシウス・マース(46)]

        [種族:獣人]



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【ルインルーナ王国跡地より北に800km】

【大要塞 樹中海要塞オルガズムフォートレス



【──大樹海だいじゅかい・奥地 世界樹セカイジュ湖畔こはん前】



『オルテ様。今後はどのようにされるのですか?』


伝言人ツタエビト[リーブス(142)]

   [種族:エルフ]



青年のエルフが尋ねる。



『そうねぇ〜……まさか。こんなことになるとは思ってなかったしね〜』



その人物は、腕を組みながら悩んだように目線を上に泳がせた。

しばらくして、笑顔で答える。



『まぁ〜この時代の行方ゆくえも観てみたいしね♩』

『ワタシたちは傍観者ぼうかんしゃってことで!リーブスちゃん!みんなにも伝えといてね〜!』


『よろしくっ!』


八天星はちてんせい 地球ちきゅう】[アース・オルテ(2567)]

        [種族:ハイエルフ]



『……』

『かしこまりました。』


『では、妖精ピクシー蟻蛾ギギたちにも、そのようにお伝えいたします。』



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【ルインルーナ王国跡地より南南東2330km】

【大要塞 彷宵徨要塞イブニングフォートレス 故城宮殿こじょうきゅうでん内】



そこには、頭に角が生えている老人と屈強な女が会話をしていた。



『しかしのぅ……王も亡くなり』

『ワシももう、そう長くないからのぅ……』


公爵[オールド(94)]

  [種族:鬼人オーガ



『ヴィーナスよ。オヌシがここの公爵にならんか?』



『ジィさん、アタイはそんなガラじゃねぇって何度も言ってんだろ?』

『ヘーパのヤツにでもやらせとけよ』


八天星はちてんせい 金星きんせい

  [ウェスト・ヴィーナス(27)]

  [種族:鬼人オーガ



『なら、オヌシからもつとーてくれんか?頼む。』



『ハァ………わーったよ。その代わり、アイツのことしっかりさせろよ』



『あぁ。恩にきる。』



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【──深峡岩要塞から北北東2.5km 巨木きょぼくの湖】



「……ううッ。」



湖の前にある木の下で、寝ていたサーチは目を覚ました。



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