工藤さんの匂い


満「兄さん暫く泊まって欲しい」



工藤兄「分かった」



ある日通勤中に満はハンカチを落としてしまいそのまま仕事へ向かってしまった…ハンカチを友和が拾い持って帰った。家に帰るなりハンカチを鼻に当て




友和「スーハースーハー工藤さんの匂いだ」ニヤリ



◇◇◇




満「あれ?無い」



同僚「どうしたの?」



満「ハンカチが無いのよ」



同僚「どこにしまったのよ?」



満「後ろのポケット」



同僚「今時シーズンの後ろのポケットにハンカチ入れる女性なんていないわよ」



満「え?じゃあ皆どこに入れているの?」



同僚「皆かは分からないけど私は、鞄の中よ」



満「鞄の中ね。確かにその方が落とさないものね…でも、一番お気に入りのハンカチだったのよ」



同僚「それは、あんたが悪い諦めなさい」



満「はーい」



その頃では、友和は相変わらずのハンカチを嗅いでいた。



友和「ハァ―ハァ―良い匂い」ジュル



箱を用意しハンカチを箱に入れ(宝箱)と書いた



帰り道めまいを起こした満はしゃがみ込んだ…それを、見ていた友和はあきらさまに通りかかった様に装い満に駆け寄り声を掛けた。



友和「大丈夫ですか?」



満は顔を上げた



満「あ!日向さん…すみませんめまいを起こしてしまって」



友和「僕に掴まって下さい。家まで送ります」



満「いえ!悪いです。大丈夫ですから」



友和「顔色もよくないし、僕に任せて下さい」



満「分かりました。お言葉に甘えて満は、友和に掴まり家まで案内した」



ズルッ…支え直しエレベーターで、5階まで上がり501号室まで行き満に声を掛けた。



友和「満さん玄関まで来ましたよ」



鞄の中をあさり友和に部屋の鍵を渡した…友和は寝室まで満を運び寝かせた



友和「僕が何か作りますね。寝てて下さい」



満「何から何まですみません」



友和「大丈夫です。僕頼られるの大好きなので」



部屋を後にした。鉄分豊富な料理を作り満の元へ持っていった…満が寝ている間にシャンプーや洗濯洗剤を写メで撮りテーブルに置いてあった香水も、写メし何も無かったかの様に満の部屋に入り工藤に声をかくようとした時玄関のカギが開き兄が帰ってきた。



工藤兄「誰の靴だ?彼氏か?満―!満―!」



満「…兄さん」



満は目を覚ました



満「兄さん。ごめん具合悪くって」



友和「工藤さん寝てないと」



工藤兄「誰だ?彼氏か?」



満「違う…以前うちの病院に運んだ日向さんだよ」



工藤兄「何で彼氏でも、無いやつを家に上げている」



満「兄さん落ち着いて。たまたま通りかかった時に日向さんに頼ってここまで私を運んで下さったの」



工藤兄「そうか…悪かったね。日向さん」



友和「大丈夫です。お兄様が妹さんを、心配するのは普通ですよ。では、僕はこれで失礼します」










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