第4話 取り戻せない時間

「ううぅ・・・」

泣き続ける俺の声が漏れていた。


遠い北国で一人死んだ君を見つめながら。

俺と別れた後、ひっそりと暮らしていたらしい。


てっきり、俺以外の男と。

幸せに暮らしていると思っていたのに。


ほんの僅かなすれ違いで。

君と別れてしまった。


糸が切れた凧のように。

俺はくだらない人生を過ごしていた。


君が死んで二年後。

届いた中学の同窓会通知。


君がいない会だけど。

何故か出席の欄に丸を付けてしまったんだ。

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