第3話 見覚えのある風景

「こ、ここは・・・?」

意識が戻った俺が声を漏らした。


「中学校の校舎さ・・・」

アイツが楽しそうに呟いた。


居酒屋で見た二十五歳のヤツではない。

黒の学生服を着た十五歳の頃の山田だった。

頬にニキビが浮かぶ汗くさい少年だ。


「ばか野郎っ・・・!」

突然、アイツが叫んだ。


「まだ、思い出せないのかよ?」

「えぇっ・・・?」


大きな声に。

アイツの真剣な眼差しに。


俺は思い出した。

そう、大切なことを。


俺は思い出したのだった。


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