2日目
気持ち悪い、とてつもなく気持ち悪い、少し呑みすぎたらしい、二度と呑まない。
午前7時、今日はずいぶんと早起きをした、母は仕事に行って、妹の柚姫(ゆずひ)はまだ寝ている。
一服して部屋に戻るとドアの前に一通の手紙とメモ、それに金だ...罠か?
手紙はおばあちゃんからだ、珍しい。
拝啓、紫陽花が美しい季節になりました。
さっそくですが、夏に入りゆずちゃんもひろくんも夏休みに入ったと思われます
久しぶりにあそびにきてはいかがですか?
お返事はいりません、いつでもおいで。
とてもおおきくておいしいスイカを冷やして待っております。
綾香へ 里美より
嫌な予感が首筋を撫でている、次はメモか...
母さん仕事あるし、ゆずは勉強があるから
宏樹一人で行ってきな
お金はとりあえず2万置いとくから
足らなくなったらばあちゃんにもらいな
それと煙草はもう電話で伝えてあります。
予感は顔と背中を被い、次第に冷や汗へと変わる、おわった
あのばあさんの説教は三日三晩続く拷問だぞ、でもまぁ、自業自得か。
冷蔵庫の中の菓子パンを食べたあと、二万を財布に、ボストンバッグに3日分の服と買い貯めしていた煙草とライター、手紙を強引に突っ込み、黒いポロシャツにベージュのチノパン、革ベルトをつけて金色に輝く美しすぎる髪にワックスをつける、そろそろリタッチしないとな。
ていうか服がじじいすぎるな、いいか別に。
ゆずに言うと駄々をこねるだろうから何も言わずに出よう
母にはもう今日行くとラインを送った、サザナミオールナイトのプレイリストを再生しながら駅に行こう。
午前10時、まぶしく強い日差しの中小さなヴァンパイアが踊っているが、生憎虫よけスプレーをしているので怖くもなんともない、それにしても花がきれいだ。
坂つらいな
この曲好きなんだよな
バイクの免許くらいとっとくんだった
おこられるのこえーなぁ
駅が見えてきた。
電車に乗り、とある駅で特急に乗り換え、またまた次は各駅に乗り換えた。
長い、長すぎるぞという思いもつかの間、ドが付く田舎、ド田舎についた。
午後12時。
一服しよう。
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