僕のささやかな夏休み
ウグイス
1日目
僕の名前は小川宏樹、すこしおじんが漂う名前だが僕は気に入っている。
年齢16歳、高校1年であるが学校については何も知らない、何故なら不登校だから。
それに典型的なダサい悪ガキだ。
生温い風が僕の頬を撫でる午前11時、もう少し寝てやろうか悩んだがさすがに暑いし、一日を無駄にしたくないので起きることにした。
床に落ちた掛布団を拾い上げ布団に放り投げて煙草とライターをもって部屋を出る、今起きたのかこのガキとでも言いたげな目をしながら母が目覚めの言葉とぬるすぎる麦茶をくれる。
母が何も言ってこなくなったのはいつからだろうか。
そんなことを思いながらベランダの机に麦茶を置き、煙草に火をつける。
散歩にでも行くか。
通りなれた道をなぞるように歩く、空を見上げ、草木に視線を向け、何気ない風景をフィルムの中に閉じ込める。
あのおばさん服のセンスいいな
花でも買っていこうか、いや育てられないな
珈琲でも買うか?
財布持ってくんの忘れたや
とりとめのない思考が出てきては消えてゆく。
この夏休み、有意義なものになるのか?
気が付いた時には午後13時、ありえない、僕は2時間近く歩いていたのか。
かえってうどんでも作ろう。
家のドアを開けるとどこほっつき歩いてたんだクソガキとでも言いたげな目をしながら おかえり といってくれた、心がほっこりするな!
麦茶をコップに注いで飲み干す、まだ少しぬるかった。
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