その夢は、星麗 ― 裁定者=胡蝶の少女 ――

全編を貫く筆致の美学と妙技に、ただただ痺れました。
夢の中で自由に空を飛んだことはありませんか?
この作品は、まさにその感覚を呼び起こしてくれます。
駆け抜ける浮遊感の描写がとにかく秀逸。

主人公・伊理乃は、決して完全無欠の善人ではありません。
むしろ、強いエゴを抱えた人間として描かれている。
だからこそ、彼女の姿に惹かれ、物語に深く引き込まれました。
夢と現実の狭間で“選ばれた存在”としての悦楽と孤独。
その先に待ち受けるのは、更なる高みへの昇華か――
――あるいは原子核のゼータ崩壊か……
目が離せないッ!

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