第2話 成功経験は価値がある

海外で取引ディーラーに挨拶に行くと、名刺交換時に必ず聞かれる事がある。

「尾崎さんは、ヤマハ発動機が何社目ですか」つまり、転職の回数を聞かれる。

「入社以来、ヤマハ発動機です」と言うと驚かれる。「どうして?成功が無かったの?」海外は、転職が当たり前で、1社目の会社で、営業マンとして成功したら、その成功経験を2社目に売り込み、1社目より、高い報酬を得ると合わせて、違う商品と取引先と出会い、新たな営業スタイルを学んで行く。それが3社目、4社目と続き、どんどんと営業において違う経験をし、プロフェッショナルを創り出し、成功を繰り返せば高い報酬も得られ豊かな生活を掴むことができる。転職は、どんな環境にも耐えられる、「能動型人間」を創り上げる。


日本では、成功経験を軽視されているのか、会社は変わらないものの、営業から財務に行ったり、広報に行ったりと業務を代えられ報酬も上がらない。成功経験は評価されないのである。転属は、学習好きな上司なら学びがあり新たな知識を得られるが、「本に書かれた知識」であり机上の理論ばかりである。日本型を続けると「受動型人間」を創り出す。つまり、「指示待ち人間」である。何でもできる万能にはなるが、プロフェッショナルとは程遠い。


企業には、数多くの役目があり万能型人間を創り出しておくと便利である。日本社会全体で、「転職は不利」の環境を創り出し叩かれてもがまんする社会を創り上げた。しかし、今やAIが登場し、単純作業なら人間よりはるかに正確で早い機械がやって来た。自分が、プロフェッショナルという「能動型人間」でないと自分の雇用すら守れない時代がやって来たように感じます。


<私の仮説

私はやって来た野球で、考える癖がある。

「守り」を重視したチームを創るには、「万能型選手」の方が、都合が良い。何処でも守れ、打順も何番でも打てる。4番にバントさせるのは日本だけ。

「攻め」を重視したチームを創るには、「プロフェッショナル型選手」の方が良い。

短期勝負なら「攻め」長期なら「守り」。海外と日本では重視しているところが違うのでしょう。EQ(心の知能指数)を育てるなら、日本型の方が理にかなっているように思います。>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る