大規模大会 メタゲームブレークダウン

 かてないほどの影響を与えた《むちむち》の登場から数ヶ月。

 世界選手権で【ハーレムグッドスタッフ】のから【単ヒロインアグロ】への鮮烈な王座交代が記憶に新しいが、はたしてあれからメタゲームはどのように変化したのただろうか?



 デッキ分布


《配信者》アグロ 24.7%

《ギャル》アグロ 19.1%

《異世界転生した俺がモテモテ》アグロ 15.6%

《謎部活》アグロ 15.3%

《男装》コンボ 6.8%

 ネトリディスク 6.6%

 その他 11.8%


 注:使用率は四捨五入のため合計100%にならないことがあります。



 ●《むちむち》の春、到来!


 使用率上位7アーキタイプすべてが《むちむち》採用型デッキ、ネトリディスクとファンタジーハーレム以外は単ヒロインアグロとなった。

 使用率1位は《配信者》アグロ。新カード《Vtuber》《推しの中身》を擁する新たな単ヒロインアグロがトップとなった。

 採用ヒロイン《Vtuber》は令和を象徴する高性能のヒロインカード。《中の人》につけた《ずぼら》《陰キャ》などの属性から《ギャップ》で一気にリーサルを狙う動きはまさに環境を定義しているといえよう。

 幅広い他テーマのカードを出張採用でき、《オタク属性》《これは取材》《二面性》など、幅広いレンジでゲームが出来ることも利点。

 まさに令和を定義するあらたなラブコメデッキと言えるだろう。


 使用率第二位は《ギャル》アグロ。古典的な《ギャル》ヒロインを採用したアーキタイプだ。

 新セットでの追加カードは少なかったものの《配信者》や《謎部活》デッキのキーカード《陰キャ》に《ギャル》が強く出られることから多くの参加者が選択に至ったようだ。

 【ハーレムグッドスタッフ 】では属性過多になりがちなことから採用を見送られていた《オタクに優しいギャル》も単ヒロインならカードパワーは十分。

 やや《むちむち》と相性が悪いことが懸念点ではあるものの、十二分に上位を狙えるデッキだ。 


 使用率四位は世界大会の覇者《謎部活》アグロだ。

 《謎部活》に無理矢理入部させる展開からの拘束力は健在なものの、研究が進み《謎部活》のパターンが尽きてきたこと、キーカード《陰キャ》と相性の悪い《ギャル》が増加したことから、多くのプレイヤーが《謎部活》の《ぼっち》な《先輩》を捨てて《ギャル》との相性を改善した《配信者》に乗り換えたことで、大きく数を減らすこととなった。

 しかし《謎部活》の拘束力は健在。《むちむち》とトップクラスの相性を誇る《粘着質》《激重》採用型ならば上位進出の可能性はあるだろう。


 《謎部活》と同じく大きく数を減らすこととなったのが《男装》コンボだ。

 メインボードでの《男装》《ギャップ》からの《むちむち》に繋げる所謂『お前女だったのか!?』コンボは圧倒的だが、世界大会での活躍から各デッキガードが上がりサイド後では厳しいゲームも多くなった。

 また、平成環境では《男装》で攻めつつ隙あらば《ギャップ》コンボをたたき込むゲームプランが有効だったが、令和の高速環境ではやや遅いため強みを生かし切れていないのも弱点だ。



 ●アグロに対抗するデッキたち

 《むちむち》が採用できるのは単ヒロインアグロだけではない。


 使用率3位は異端のハーレムグッドスタッフ、ファンタジーハーレムだ。

 特徴は【ハーレムグッドスタッフ】の目玉カード《ヒロインレース》の不採用だ。

 キャラ立てに話数ターンが使えないのなら使わなければいい、《奴隷ヒロイン》《服従魔法》を軸にした高速展開から《エッチな》イベントの連打。

 令和の高速環境に適応させたまさに新時代のハーレムと言えるだろう。

 横展開の対応力は健在だが、ぶん回った単ヒロインアグロの突破力について行けるかと《奴隷ヒロイン》が《コンプライアンス》に弱い点がやや不安か。


 使用率7位はなんとネトリディスク!世界大会で躍進した地雷系デッキが大きく数を伸ばした。

 特徴はなんと言ってもヒロインの不採用!相手のヒロインを奪う《NTR》は単ヒロインデッキとの相性が抜群。《むちむち》なヒロインを奪いさらに《むちむち》を重ね《寝盗りDVD》を叩きつけて一気に感情破壊を狙う。

 寝盗ったヒロインに《ギャル》属性をつけることで《陰キャ》に強くでることも出来ることから単ヒロインアグロキラーと言えるデッキだが、使用率3位のファンタジーハーレムに対しては元々横並べに弱いうえ《奴隷ヒロイン》《服従魔法》共に《NTR》に耐性があることから相性は最悪。

 良くも悪くも上位に進出できるかは当たり運に左右されるデッキだ。


 ●その他――ほとんどが《むちむち》採用デッキながら《むちむち》不採用デッキも


 その他のデッキは大きく二種類に分けられる。《むちむち》を採用しているか、していないかだ。

 《むちむち》採用型は主に環境で日の目を見なかったヒロインを採用したものだ。特に多いのは《ヒロインの母親》《アラサー》など根強い愛好家のいる年上ヒロインデッキ。

 特に《母親》長らくはオンラインでは使用率が高いものの大規模大会では結果を残せていないファンFANZAデッキと呼ばれてきたが、新環境では結果を残すことができるか注目していきたい。

 

 《むちむち》不採用型の最大勢力は《メスガキ》コントロールだ。

 《大人》へと圧倒的な強さで一時代を築いたデッキではあるものの、《むちむち》との相性の悪さから使用者を大きく減らしている。果たして《メスガキ》は大人以外にも勝つことできるのだろうか……


 さあ、果たして《むちむち》の春を勝ち抜くのはどのデッキなのだろうか?大会の様子は日本時間深夜2時から公式チャンネルで配信される。皆様、お見逃しなく!

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