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概要
これはウチと旦那様の紡いだ軌跡。誰にも渡さん、ウチだけの愛おしい記録。
___1918年後期、日本は類を見ない好景気に沸いとった。そしてある青年が、1代にして莫大な富を築き上げたんや。せやけどその2年後、1920年に在りえんくらいの恐慌が起こってしもて、そん人は無一文になってしまったんよ。行く当てもなく生気を失って、草を食んで飢えを凌いどったらしいんやけど、野犬に追われて森さ迷い込んできたんよ。それがウチと旦那様の初めての出会いやった。
ウチの神社は古くて、おんぼろで、参拝者も来ない寂れたとこやったのに、旦那様は「風情のある、趣深い、落ち着いた良い神社だ」って褒めてくれはってん。思えばその時には好いとったんかもしれんなぁ。第一印象は野犬に追い回されとるおかしな人ってくらいやったんやけどな。
ウチの神社は古くて、おんぼろで、参拝者も来ない寂れたとこやったのに、旦那様は「風情のある、趣深い、落ち着いた良い神社だ」って褒めてくれはってん。思えばその時には好いとったんかもしれんなぁ。第一印象は野犬に追い回されとるおかしな人ってくらいやったんやけどな。
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