第11話 未来を選ぶ鍵

サキ(ヒナ)はゆっくりと日記を閉じた。

その手の動きが止まった瞬間、教室の景色がにじみはじめた。

「ねえ、私たち、どっちが本物なの?」

二人の“ヒナ”が向き合う。

空間がざわめき、世界が揺れる。

「この物語は、どちらかが消える運命にあるのかもしれない」

ふいに窓の外から、星が落ちる音が聞こえた。

その星は、二人の間に浮かび――ひとつに溶け合う。

「これで終わりじゃない。むしろ始まりだよ」

星売りの男の声が、どこからともなく響いた。

教室の時計が逆回転を始める。

世界が巻き戻り、二人の“ヒナ”が消えていく――

でも消えた先に見えたのは、まったく知らない場所。

暗闇の中、ただ一言だけが浮かび上がった。

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「新しい物語が、君を待っている」

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