第3話 替えられた未来
ヒナは手紙を何度も読み返した。
――「私も、星を買った。次に消えるのは、きっと君。」
カレンの字に似ていた。けど、どこか違う。まるで…泣きながら書いたような、震える線。
ヒナはもう一度、“星”を取り出して、じっと中を見た。
ガラスの中の未来の景色に、小さな異変があった。
ヒナの姿が――少し、ぼやけている。
まるでヒナ自身が、未来から消されかけているみたいに。
「誰が書き換えてるの…?」
そのとき、スマホがブルッと震えた。
差出人不明のメッセージが届く。
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『星を返すには、もう1人、消すしかない』
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「え…? 誰かを、消せば…私が残れるの…?」
混乱するヒナの目の前で、またひとつ現実が変わった。
部屋の壁に貼ってあった家族写真――
そこには、ヒナと母と父、そしてカレンが写っていたはずだった。
でも、今はそこに――見知らぬ少女の顔が貼られていた。
そして、写真のヒナが、ぼそっとこうつぶやいた。
「この子が、“私”になったの」
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