話
私は今日も私を空っぽにする。生きるために私を空っぽにし、また空っぽにするために私は生きている。劣等感。私が人生において常に感じ続けていたものである。私には人より優れているところもある、私はただ劣っているだけの人間ではない。そう自覚しているものの、それとこれとは別である。私はもしかしたら、劣りたいとさえ願っているのかもしれない。そう、苦しんでいる自分に酔いたいだけなのかもしれない。だとしたら、私は自分を心底気持ち悪く思う。人生は全て自分次第なのだ。いくらお金を稼いだとして、人生に後悔する人もいる。全ては言ってしまえば気の持ちようなのだ。そんなことは分かっている。
ただもう、ただただ私は自分のことが分からなくなってしまった。今自分がどんな思いを抱いているのか、私は何を望み、何に苦しめられているのか。ただぼんやりとした不安。本当は分かっている。私には幸いやらなければならないことがある。それをしなければいけない。あぁどうしてこんなにも毎日虚しいのか。もう学校には行きたくない。あそこは地獄だ。きっと私は人間ではないのだ。あそこは善意をある程度持ち合わせた、もしくはそこに適応できるだけの最低限の力を持った者が集まっている。私はそれを持っていない。煩わしい。あそこで行われるちょっとした会話、楽しそうに話す友。どうしてそうもうまく振る舞えるのか。私はいつもあそこへ行くと吐き気がする。少し話しては疲労が押し寄せ、ここで気を悪くさせるわけにはいくまいと、ただひたすらに笑っている。
昔言われたことがある。今の何が面白かったのかと。そんなに笑うことではないと。じゃあ教えてくれ、あそこで私はどう反応すればよかったのだ?君は私に何を求めていたのだ?私は君といるとしんどいのだ、何も君のせいではない。私は人といると常にしんどさを感じる。私は毎日毎日吐き気をなんとか堪えて人並みの生活を送ろうと努力していることが君には分かるまい。分からないのが私にとってもありがたい訳なのだが。もうあそこに行きたくない。あそこは地獄だ。かと言って家も地獄だ。私がこのことを話したとしたら、親は病院に連れて行こうとするだろう。私はもうあそこには行きたくない。放っておいてほしい。どうか、どうか放っておいて。私は早く家を出たい。人間から離れた、私だけの安心して生きていける場所が欲しい。今やそんな場所は存在しないのだ。ただ私の最も落ち着ける場所は、あの学校の古臭いトイレの一室に限られている。あぁなんでこんなことになったのだ。私の夢はいつ叶えられるだろう。悲しい。苦しい。ひどい胸焼けを起こしているようだ。いっそこのまま体ごと燃え尽きてしまえ。あぁ辛い。こんなにも明日に絶望しているのに明日はやってくる。そろそろ私もおかしくなってもいい頃であるのに。私は絶対に狂わないだろう。私は闇の底を知っているから。もう何度も何度も私はそこに沈んでいるから。それとももっと奥深くがあるのか、それは私は知ったものではないが。こうまでも説き伏せる私に楽しいものがある訳ないだろう。ただただ辛い、それだけだ。私は少しは助けて欲しいと思っているのに、助けてもらう者を選んでいるという横暴ぶりである。だからこんなにも苦しんでいるのだが。私の首を絞めているのは私だと、何回目かも分からない気づきを私はまたここで感じているのだが。こんなに苦しんでどうする。今や誰も私のことなど気づいていないだろう。私は密やかに、それでいて穏やかに、ゆっくりと沈み、狂っているのだ。それでいいのだ。これが私の望んでいたものなのかもしれない。あぁそうか、そうなのかもしれない。今日もきっと眠れないだろう。それでいい。もう全部どうでもいい。今こそ私と一緒に人生を終わらせてくれる、救世主は現れないだろうか。現れないだろうね。いよいよ苦しい。私は気がおかしいのかもしれない。でもきっと明日も人間のふりをするだろう。いつまでもつだろうね。もう限界は近い。こんなにも悲しい。苦しい。もう分からない。こんなの流石にどうなんだってね。誰か教えてくれよ。もう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます