殺す。誰が望んでいる?どこの誰が生きるのを望んでいる?私が望んでいる?いや望んでいない。そんなこと一切望んでいない。絶望している。私は努力できない自分に、希望を見出せない世の中と自分に何よりも絶望している。なぜまだ生きている?私に未来はない。やりたいことなどない。あっても熱を持てない。頑張れるというのは才能なのか。いや絶望しているわけではない。ただもう、疲れた。人の顔色を気にすることに。ただやめる気はない。人の感情を気にしなくなった途端、私は私でいられなくなる。人に気遣わない自分などを見せることは、自分の何よりも恐ろしく恥じるものである。そんなことはしたくない。そんなことをするなら死んだ方がマシだ。ただたまに寂しくなる。でも頼りたい人などいない。もう本当にただ疲れたのだ。放っておいてくれ。あぁひたすら文を書き続けられたらなぁ。家族も私の知っている人も誰もないところで、生きることができたならどんなに楽だろう。ただ、そんな世界は存在しない。こんな世の中狂っている。常に誰かの目に晒され、何かを思われ、気遣い気遣われて生きている世の中のなんと気持ち悪いことか。本当に吐き気がする。あぁ死にたい。誰か、誰か一緒に死んでくれはしないか。殺してくれ。もう疲れた。みんな死んで、死んでしまえばいいよ。それか記憶を消そう。あなたは私が存在したという記憶を。私にきっと嫌なこともされてきたのかもしれない。私の下品な振る舞いがあなたの目に耳にこびりついてあなたは困っているのではあるまいか?消したいと願っているだろう。消してしまってくれ。いや、消えろ。消えてくれ。私の全てを消してくれ。もう私が存在することで人の感情に関わりたくないのだ。感情。なんと恐ろしいのだろう。こんなものがあるから、世の中はこんなにも複雑になってしまう。怒り、憎しみ、私の抱く焦燥感も。もう全てなんと煩わしい。消えてしまえ消えてしまえ消えてしまえ。もう何も望んでいない。もし望んでいるとしたらそれは消えることだ。なんで、なんで産んだのか。私は親に対して怒りの念なんて抱くことはほとんどないけれど、一つだけ、一つだけ許せないことがある。それは私を産んだことだ。なんで?どうして産んだのか。これだったら早めに洗脳して、言いなりにでもなって生きていた方がよっぽど子供としての役割を果たせただろう。労うのもやめてくれ。そういった優しさが、奥にあらゆる別の複雑な感情が透けるようなあなたたちの言動が、どれだけ私を息苦しくさせ、嫌な匂いが鼻にまとわりつくように私を狂しめ、今か今かとギリギリと私の首を絞めてきたことか。言っておくが、あなたたちのそういった言動なんかに私は一度も救われてこなかった。あなたたちのそんな優しさは、私にさらなる苦痛をもたらすのみであった。だから終わりにしたいのだ。もうこんなの苦しいだろう?少なくとも私は苦しい。もううんざりなんだ。ずっとこうなんだ。だから終わらせてしまいたいのだ。もう私はあなたたちと分かりあう気はさらさらない。分かっている。こうなったのは全て私の表現不足、あなたたちへの気持ちの伝達不足であることも。ただ、これを変えるつもりはない。だからやめようといっているのだ。もう一つ言えば、あなたたちは私のことをきっと知らない。手前しか。だからどうにかなると思っている。そんなわけないだろう。私はもっと泥臭く、底なしの沼のような感情を抱えている。そしてもう何年も、物心ついた時からずっと、私はその沼を育て続けている。あなたたちはいつもそれに気づき始めるところまでは行くのだ。ただその本質に気づいた途端、あなたたちは態度をガラリと変える。話が違うではないかと、さっきまでにこやかに浮かべていた気色の悪い笑みを消し、吐き気のするような紛い物の匂いで満たしたその態度を、あなたは怒ったように全て崩していく。それはもう面白いほどに。それにも私はうんざりする。だから嫌なのだ。むやみやたらに、救えると思って入ってくるな。予測してなかったなんて、よく言えたものだ。それで救えると思っていたのなら、飛んだ笑い話である。少しでも救えないと思う余地があるのなら、そもそも干渉などするな。沼にハマってしまったギャーギャー態度を変えて騒ぐ人間を片付けることほど面倒臭いものはない、そしてそれは、ますます私を疲れさせる。こうやって何度も疲れてきたのだ。もうここまでくれば話す必要もあるまい。分かっているだろう?今まで私がどんな思いを秘めてきたのか、そして私が最も望んでいるものはなんなのか。分かったなら、黙ってくれ、そして消えろ。出ていけ。私の記憶から、そして忘れろ。私という存在を全て。なかったことにしろ。それは私が最も望んでいることの一つでもある。あぁもう殆疲れた。随分と話したものだ。私が死んで、それで全ては解決だ。そう思うだろう?

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