あかりを灯して。

四ノ崎ゆーう

あかりを灯して。

 ――夜。高台に立ち、街を見下ろす。街の明かりがキラキラ光る。一つ一つの明かりには意味がある。家庭を照らす明かり、街を照らす明かり……。


『意味のないはない』


 そう考えると、悩みが軽くなるの。自分もこの世界を生きる一つのなんだって、自分にも生きる意味があるんだって思える。無くした夢もまた見つかるような気がする。

 だから私はこの公園がすき。ここで景色を見ながら漕ぐブランコがすき。ブランコで切る風がすき。鉄の軋むこの音がすき……。

 落ち込んだ時とか、悲しいことがあった時にここへ来ると落ち着く。

 ブランコしかない小さな公園だけど、それだけで十分。他の遊具以上に素晴らしい景色があるんだもの。

 この街一番の高台にあるこの公園には『ここで星空を見れたら夢が叶う』という噂がある。

 空を彩る無数の明かりをここで見られたなら、どれだけロマンチックなのだろうか。

 ――今日は晴天。そして満月。だけど星は見えない。代わりに街の明かりは今日も輝いている。キラキラ、キラキラと私の目には空に輝く星に見える。


 私の未来を眩いあかりで灯せますように――。


 そう願いながら、私は今日もお気に入りのブランコを漕ぐ。夜風が私の髪を靡かせる。

 私の心に灯りを灯す日はそう遠くない。

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あかりを灯して。 四ノ崎ゆーう @yuuclse

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