第15話
冬休みがあっという間にやってきて、坂本と一緒に新幹線に乗って帰省した。
家に着いたばかりで、両親がずっとくっついて離れないから、坂本のところに会いに行く時間もなくて、二人はlineでばかりやり取りしていた。
そんなある日、坂本の両親が外出した直後、坂本に呼ばれて部屋に行くと、いきなり壁に押し付けられて長いことキスされてしまった。
突然、玄関から鍵を差し込む音が聞こえてきて、慌てて辺りを見回しながらトイレに逃げ込んだ。
坂本がドアを開けると、両親が車の鍵を忘れて取りに戻っただけだった。
私はトイレの入口で半分しゃがみながら、そっと外を覗いていた。
坂本は両親を送り出しドアを閉めて戻ってきて、トイレの入り口でそんな私を見つけて、思わず口を押さえて笑い出した。
私は腹が立って彼の胸を軽く叩いて言った。
「笑うなよ!」
「なんかさ、その姿、見覚えある気がするんだよね」
見覚え?自分の姿をチラッと見たら、確かに前に坂本を捕まえた時の、ビクビクしてる姿に似てた。
はぁ……。
「坂本!どうして知ってるの?」
彼は私の手を取って自分の部屋に引っ張り込み、ベッドに押し倒して身体を寄せながら耳元で囁いた。
「あんなに大きな目でずっと俺を見てるんだ。バカじゃなきゃ気づくよ」
イケメンは驚いて言った。
「それでよく我慢できたな?」
温かい息が耳にかかる。
「本当はそんなに興奮してなかったんだ。君が見てると思ったら、我慢できなくなった」
ちくしょう、坂本、あんた本当に最低だ!
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