第16話

坂本は絶対にテディの生まれ変わりだ!

何年も「犬野郎」って呼んできたけど、まさに本物の犬だったんだな!

いいニュースは、長年の誓いをついに叶えて、坂本に「パパ」って呼ばせることができたこと。

しかも跪いて呼ばせることだってできるんだ。

悪いニュースは、その「パパ」呼びの頻度が高すぎて、腰がもう限界なこと。

痛む腰をさすりながら、まるでトラックに轢かれたみたいな体を引きずってベッドから起き上がる。

坂本が腕を腰に回して、かすれた声で耳元に囁く。

「もう一回、どう?」

「パパ……」

「ん……坂本……お前はホントに犬だな……」

木の葉が強風に巻き上げられ、吹き飛ばされ、また地面に落ちては、また高く舞い上がる。

めまいがして、言葉もまとまらない。

要するに、得るものあれば失うものもあるってことかな。

(完)

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この変態、規格外につき。 @perari

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