「飲むには少し多いビール」が物語る

 あまいボーイズラブというよりは肉感的な男性同士の関係が、物語の後味を苦く際立たす。

 私たち、どんなふうに生きてもどんなふうに過ごしてもどこかでケチがつく。ついたケチのことを考えたって無意味なんだけれど、どうしても、この作品における「影」のことを考えさせられてしまうことがある。
 そういうどうしようもなく暗い夜に、少し多すぎるビールがあったとしたら、それが答えかもしれない。大人になったはずなのに飲み干しきれない苦いビール。

 脳裏に、鼻腔にこびりつく、男性たちの関係性。ビールの後味を思い出して欲しい。