第2話 カッコよく決まりましたかねー?
タローは女性たちを隣町の奉行所に託した後、先程眠らせておいた村人たちの所へワープし、彼らが目覚めるのを待った。
催眠効果が強すぎたのか、日が傾き始めてもまだ目覚めない彼らに痺れを切らしたタローは、彼らに静電気程度の威力に調節した“つもり”で雷魔法を放った。
「ていっ。」
「いってえええ!」
痛みで一斉に目を覚ました彼らはしばらく転げ回った後、タローを見るや否や「くそっ!疫病神め!お前はこの村を滅ぼす疫病神だ!」と罵倒した。
しかし、タローは「疫病神で結構ですよー。私は生贄という馬鹿げた風習が嫌いなので、そういった物を捧げる人や求める神が存在するならブッ飛ばしますよー。」と言いつつ、手に炎を纏わせて村人たちを威嚇し始めた。
タローの人知を超えた力を見た村人たちは恐怖に震え、その場で後ずさった。彼の言葉と飄々としながらも隠しきれていない威圧感を目の当たりにし、彼らは罵倒するだけの勇気を失っていた。
「そ、そんなことをしたら、村が、俺たちが滅びる……!」
村人たちの中の一人が震えながら言ったが、タローは冷静に答えた。
「生贄なんてものに頼らないと維持できないなら、村が滅びるのは時間の問題ですよー。それに、そんな理不尽な神がいるなら、私がその化けの皮を剥がしてやりますからねー。」
タローは村人たちから目を逸らさずに、唐突に渋い声で語りかけ始めた。
「お前たちは何に怯えているんだ?お前たちを苦しめているのは、本当に神の怒りなのか?誰かが神の名を騙って、お前たちを操っているんじゃないのか?」
この言葉に村人たちはハッとした。彼らの顔に浮かんだ不安と疑念を見逃さなかったタローは、さらに重く渋い声で続けて言った。
「さあ、案内してもらおうか。その神とやらがいる場所に。」
村人たちは抵抗する力も意志もなくなり、ただタローに従うしかなかった。彼らは震えながら、村の奥深くにある古びた神殿へとタローを案内し始めた。
タローは目を鋭く光らせながら、その神殿へと向かう決意を固めた。そこで待ち受けているものが何であれ、タローはこの問題を解決するつもりだった。
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