第4話「それは恋」

ヒャクは金の斧と銀の斧を水から引き上げて、両手に持ちました。そしてバレリーナに

「歩けるかい?とりあえず、近くの友人の家に行こう」と誘いました。


コリは木を切りに出かけ、モトメガは部屋の掃除をしていましたが、バレリーナを見てビックリ。

「まあ、どうしたの?この人、ずぶ濡れじゃない」

「…悪いけど、何か着替えを」


「私、クララと言います」

「あらあら、クララさん、震えてるじゃない」


モトメガはクララを手早く自分の服に着替えさせ、ベッドに寝かせました。

そしてミルクを温めて持って行きました。


モトメガはヒャクの手を見て、

「その斧、どうしたの?」

「綺麗だろう。泉に落ちてたんだよ。浅い所にね。…本物かなあ」

しげしげ見ています。モトメガは心の中で言いました。

(勿論、本物よ!だけど、魔法とともに消えると思っていたのに…)


ヒャクは金の斧と、銀の斧を交互に眺めて、

「これ、いくら位になるかな?」

「本物の金と銀なら、かなりね。一生遊んで暮らせるわ」

「ひゃっほー!」

両手を挙げて踊り回りました。

モトメガはこんなに嬉しそうなヒャクを見たことはありませんでした。


「あ、彼女なんだけど…」

ヒャクはざっと彼女の話をしました。そして、自殺を企てたことも。

「力になってやりたいんだ。彼女が落ち着いたら、家まで送って行くよ。お母さんも心配しているだろう。…あ、声がした。じゃ、行くね」


クララは部屋から出て来て、丁寧にお礼を言いました。

「お世話になって、すみません。このお洋服も」

「いいのよ。まだ乾いてないから、着て行って」


2人は家を出て行きました。外は美しい夕焼けでした。


ヒャクはモトメガに言いました。

「金の斧と銀の斧、また来るからしっかり見張っていてね。誰かに盗られないように」と。


モトメガはつぶやきました。

「ヒャクはクララに恋してる」と。


(第5話に続きます)













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