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しばらくして…


菜津「ふー、遊んだ遊んだ」


詩恵歌「…遊ばれた」


光「お、ちょうどいいね。

おかえりー」


優希「おわったー」


怜悟「俺もー」


菜津「じゃあもう夕食時かな?

夕食作れ」


光「作れー」


詩恵歌「…ペコです」


優希「…拒否権なさそうだな

怜悟、やるぞー」


怜悟「へーい」


すると…


コンコン


と、玄関から扉をノックする音が響く。


光「ん?誰か来たのかなー?」


「どうも、こんにちは。

…って光じゃない」


光「え?倉葉じゃん。

どしたー?」


倉葉「あー、ここが言ってた合宿の別荘なのね。

…忠告に来たんだけど」


光「なんのー?」


倉葉「とりあえず中入るわよ」




詩恵歌「…倉葉だ」


菜津「あれー?どしたん?用事は?」


倉葉「ここの近場の山小屋に用があったけど、早めにきりあげてきたのよ。

…これで全員?」


光「キッチンに優希と怜悟がいるよー?

呼ぶの?」


倉葉「お願い」


光「おーい、優希、怜悟。

ちょっときてー?」



優希「なんだよ、まだ仕込みの途中だぞ」


怜悟「あれ、倉葉じゃん。どした?」


倉葉「これで全員ね」


一息置いて、


倉葉「この家、危ないわよ」


優希「は?」


――――――――――


優希「要するに?

この家は霊的力が強すぎるから離れたほうがいいって?」


倉葉「そうよ」


菜津「知ってた」


優希「…は?」


菜津「知ってたの!

知っててここ借りたの!」


優希「なぜに?」


菜津「え?楽しそうだったし」


優希「…は?」


倉葉「…本気で言ってるの?」


菜津「季節ちょっと早いけど肝試しにちょうどいいなーって。

それにー?

本職の人も居るし大丈夫でしょ。

ねー、倉葉?」


倉葉「ぐ…分かったわよ!

その代わり!今日ここ泊まるからね!」


菜津「え、いいの?」


倉葉「いいでしょ別に!

部屋、空いてるんでしょ?」


菜津「空いてるよ。

5番の客室か主人室かな。

くじ引きできめる?」


倉葉「別に客室でいいわよ。

…はぁ…お腹空いてきた」


優希「…ちなみに料理出来る?」


倉葉「え?…こういう時、即席麺とかじゃないの?」


怜悟「わかった、キッチンには近づくな」


――――――――――


しばらくして…


優希「ふー、できたぞー」


光「わーい」


怜悟「こら、皿くらい並べたりしろ!」


菜津「へーい」


詩恵歌「…ペコペコ」


倉葉「…どうせ料理できませんよーだ」


優希「いつまでしょげてんだ。

こっちの世界に帰ってこーい」


菜津「そういえば、触ってない皿が動くとかありがちだけど怖くない?

それ、仕掛けで出来るよ」


光「まじかー」


カチャ...


菜津「そうそう、こんなふうに…ん?」


優希「馬鹿やってないで食べるぞー」


菜津「…まあいいか。

いただきまーす」


――――――――――


光「ごちそーさま」


詩恵歌「…まんぷく」


菜津「デザートないの?」


優希「はいはい、お粗末様でした。

デザートはおやつにクレープ作ったからありません」


倉葉「なにそれ」


菜津「えー…朝食削っていいから何か」


優希「ありません」


怜悟「諦めろー」


菜津「ちぇー。

…ほい、倉葉。

最後の5番の客室の鍵」


倉葉「…なんか含みありそうな言い方ね」


菜津「べっつにー?

ちなみに主人室は鍵でもなぜか開かなかったね」


優希「主人室がくじで当たってたらどうする気だったんだよ...」


菜津「消去法でダイニングで雑魚寝かな」


光「まじかー」


菜津「とりあえず、夕食後の自由時間ね。

お風呂とか入ったり各自好きに過ごしたらいいよー」


怜悟「風呂の順番どうするよ?」


菜津「あー、客室の順番でいいかな」


優希「…あ、俺からか」


――――――――――

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