散策記(短歌十首)

色街アゲハ

散策記(短歌十首)

1.川ノ邉に 添いて伸び行く 遊歩道

       通う者無く 哀しきかな



2.道の邊に 罅割れた石の 隙間より

       延び行く草の 丈高く在り



3.微風に 揺れて手招く 幼子の

       誘いにも似て 知らずつられて



4.川の面に 揺れて砕ける 午後の陽の

       光の行方 追い掛けて行く



5.そは既に 途切れて消えた 幼き頃の

        夢の日に似て 心擽られ



6.寄る辺なく 行く当ても無く ならばいっそと

        歩き続ける 夢の通い路



7.道の果てに 迷い込んだかと 見れば其処は

        人の行き交う 街並みの中



8.雑踏に 紛れて揺れる 風船売りの

         一つ逸れて 空に迷いて



9.知らず追う ふわりふわりと 雲の中

         延びる建物 背景にして



10.見る内に 何時か夢見た 雲の行方

         夢と現の 道の合わさる

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散策記(短歌十首) 色街アゲハ @iromatiageha

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