第3話 敵か味方か、ツンデレか。




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朝の教室。

久我くん――いや、駿が席についたとき、私は不思議な違和感に気づいた。


彼の隣に、やけに視線の鋭い女の子がいた。


「あれ……?」


小柄だけど目ヂカラが強くて、髪はピンと結ばれたポニーテール。

制服の着こなしが妙にきちんとしてるせいか、なんだか……隣に並んで立ってるのが自然すぎる。


私が思わず視線を向けると、その子はピタリとこちらを見た。

睨んでる……わけじゃないけど、警戒モード全開な目だった。


(え、誰この子……)


「久我くん、朝の連絡帳、ちゃんと出した?」


「ん、あー……ごめん、まだ」


「ったく、そういうとこ。前からずっと抜けてるよね」


(“前から”!?)


私は心の中で、叫びに近いツッコミを入れた。



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昼休み。

私は花音にこっそり問い詰めた。


「ねえ、駿の隣にいた子、誰か知ってる?」


「んー? あー、たしか桐島まどかちゃん。中学時代の同級生だったらしいよ。しかも、お向かいさん」


「向かい……って、家?」


「うん。ご近所ってやつね。で、本人いわく“昔から面倒みてるのに全然言うこと聞かない男”らしいよー?」


それを聞いた瞬間、私は机に突っ伏した。


(え、なにそれ。ポジション強すぎじゃない?)


しかも、まどかちゃん。名前まで可愛い。

字面だけで“ヒロイン力”が高そう。



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その日の放課後。


部室のドアを開けた瞬間、私は凍りついた。


そこにいたのは、駿と――まどかちゃん。


「お、お邪魔してます……私も見学、いいですか?」


「……え? えっと、はい」


どうしてこうなった。


しかも、駿が言った。


「まどか、小説とか好きだっけ?」


「うん、まあ。書くのはしたことないけど……ね。ちょっと、やってみようかなって思って」


私の中の何かがガタンと音を立てて落ちた。


(え、まさかの文芸部入りたい系? 小説書きたい系!?)


さらにまどかちゃんは、さらっと言った。


「久我くんが楽しそうにしてたから、ちょっと気になっちゃって」


(それ、完全に私の唯一の居場所、踏みにじってきてない!?)



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帰り道。花音に愚痴った。


「これ、完全にライバルってやつじゃん……」


「いいじゃんいいじゃん、三角関係最高~!」


「そういうテンションじゃないの!」


……けど、本当は、ちょっとだけワクワクしてる自分がいた。

新しい登場人物が入って、物語が次の章に進む――そんな気がしたから。


ただ、まどかちゃん。

その目が、冗談を一切挟まない真っ直ぐさで、ちょっと怖い。


敵か、味方か。

それとも、ただの――ツンデレか。


(あーあ、これ絶対、平和じゃ済まないやつだ……)



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【To Be Continued】



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青春ギャグ @mirumiru3

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