第3話 艦上戦闘
ニックスの装甲をくぐって入ってきた、鳥のくちばしのような奇妙な艦船。
帝国軍戦闘外装で武装した兵力がこれに対応するために溢れ出た。
彼らの目に見えたのは真っ赤に染まった床と肉の塊になって転がる戦友たちだった。
鉄の鳥のくちばしは、この艦船の外皮を突き破って入ってきた後、すぐに弾丸を吐き出した。
銃口が口の縁を囲んでいた。
銃はガトリングガンのように回転して攻撃していた
まもなく艦船の口から敵兵が溢れ出た。
「砲塔を守れ。」
艦長の命令により、砲塔と艦橋の人員を除く全兵力が白兵戦に投入された。
幸い、個々人の武力優位は断然こちらにあった。
それに装備もまたずば抜けていて、この程度なら一当百ができるだろう。
「よかった。」
レイルスは鉄槌で敵兵の頭をひねりながらつぶやいた。
「中隊、後ろに抜ける。 重武装近接兵、前へ!」
見るだけでも「重武装」という単語が自ずと浮び上がる重たい鎧を着た、体格が立派な兵士たちが前の兵力と交替するように投入された。
厚い盾に融合した短長砲で砲声と同時に追親型散弾が高速で広がった。
すぐに敵兵の四肢が破れてころがった。
強力な火力と格闘術で敵を制圧する間、レイルスの背後でどっしりとした鉄の塊が相次いで床にぶつかる音が聞こえた。
心強い味方、スパイダータンクだった。
正確にはそれを艦内戦闘仕様に改造したものだ。
この戦車は歩兵との戦闘連係を容易にできるように長い脚の先についた高い車体を持っており、船内での戦闘による味方艦船の損傷を最小化するように計量した砲弾を使用する。
おかげで地上で使う戦車に比べると攻撃力が非常に足りないが、船内戦闘では十分すぎる。
いくら弱くても、人間が戦車の砲撃に耐えることはできないから。
また、橋は丈夫で船内で使えるほどの武器では簡単に破壊されなかった。
実は足も車輪もついていない浮遊戦車もあり、それを船内戦闘仕様に改造した物もあるが、法外に高く、なかなかの部隊には存在しない。
その奇怪な艦船の口から再び機関銃の洗礼が続いた。
依然として自分の味方がこの船に乗船して戦闘中であるにもかかわらず、射手は気にしなかった。
まるで味方の被害なんて気にもしないようだった。
◆
「 「独裁官」とは…··· 聞いたこともない職責ですが」
コーネリアはレンガのような古いコンソールの画面を見た。
臨時行政官の臨時補佐官、アエリアも一緒。
「…数人の官僚を派遣する代わりに、すべての権力を持った一人を派遣するということですね」
「どなたですか?」
「この間のなんとかかんとかさんの反乱鎮圧で功を立てた人なんです。」
反乱。
帝国はあまりにも大きいうえに、各地方の領主、総督、行政官が各自の自治権を持っている形なので必然的に反乱が多い。
だが、コーネリアにとっては、エリス惑星の人々にとっては帝国内部の反乱など他人事だった。
率直に言えば、誰が、なぜ起こしたのかはよく分からないが、その反乱の首謀者より自分にある逆心がはるかに大きいだろうと、コレリアは確信した。
帝国に忠誠を尽くしたい気持ちが少しもないから。
反乱を起こさないのではなく、できないだけで。
「反乱なんか私の関心ではありませんが…··· でも、ということは軍の指揮官、統率力はある人ということですね。」
「軍に対する統率力が国を相手にしても有効な能力なのかは疑問ですが。」
「お供いたします。」
これまで口を開かなかったパラシャが言った。
「そうですね。まあ、とにかく『その集団』よりは先に確保しなければなりませんね。 奪われると頭が痛くなりますから」
「奪われたら、彼らを打ち殺して、あの方をお連れします。」
パラシャは表情一つ変えずに言った。
「単身で?」
「その判断はお任せしますが。」
コレリアは知ることができた。 自分が判断できるのは「兵力をつけてくれるかどうか」までであることを。
自分が武器だと思っているこの子は、その袋の握り手が変わったと判断したに違いない。
そりゃ、公式的にこの惑星の主人が変わったから。
ひょっとしたら空いていた袋にしばらくコレリアの手を許しただけかも。
「…分かりました。ところで、その人がこの惑星に到着するという保証もないんじゃないですか。」
コレリアが生まれる前のことだが、帝国政府から派遣されたという官僚数人が到着しないまま行方不明になった事件もたびたびあったという。
そもそも、コレリアが生まれてからは行政官が派遣されたことがなかったので、それすら分からないが。
「そもそもこの惑星の周りには海賊がいると聞いたんです?」
惑星の外の状況はよくわからないけど、そんな噂があったみたい。
「不可能はありません。」
◆
「敵はたった一隻、しかも白兵戦をしている。 それなのに···」
女はつぶやいた。
「まだ堪えてるんだな。」
久しぶりの帝国軍の艦船。
多少旧型なのが残念だが、それでも帝国軍だ。
さらに、旧型艦船は搭乗人員が新型に比べて多いと聞いた。
それはつまり、奴隷として売る奴らが多いという意味だった。
道徳どころか法さえ無視する、この辺最大の海賊団、ディスノミアにとって艦船はただのおいしい餌に過ぎなかった。
たとえ戦闘艦でもだ。
ところが、今回の獲物はかなりしつこい。
通常の場合、この時点ですでにすべて捕らえられ売られ、艦船は金になりそうなものをすべて奪われ、その艦船自体も売られるエンディングだった。
ところが、帝国の最新戦艦でもなく、大砲を撃つ旧型艦船のくせに、今も持ちこたえている。
すでにくちばしにも、わき腹にも海賊団の主力武器である「メガランス」が数個刺さっている。
それはメガランスの速度を砲撃などで追いつくことはできないだろうから。
おそらく艦船のあちこちで血の飛び散る戦いが繰り広げられているだろう。
そして、すでにこちらが数的優位を占めて久しいだろう。
それなのにいまだに持ちこたえている。
「まあ、おいしい獲物って、なかなか捕れないものかな。」
と余裕のあるふりをしたが、実は余裕はなかった。
ディスノミアは無法を旗印に掲げた集団らしく、裏切りと内部攻撃は日常であり、敗北一度に命が行ったり来たりすると言っても過言ではない。
この女、ベラもディスノマアの団長の一人だったが、このまま敗北し、それもあんな取るに足らない敵に敗北して帰ればベラの船団内部でも、ディスノミアでも攻撃が始まるだろう。
まあ,それでも彼女にはそのばかげた子供がいることはある。
力はとんでもないほど強いのに、純粋で知能が低く、ディスノミア内で野心順位では下から1位になりそうなあの子。
ベラはその子がいるはずの、メガランスの中で最も巨大なものの尻尾を見た。
しかし、できるだけ大事にしておきたいと思った。
「メガランス120小艦隊。 艦船の表面座標一つを受信するから、そこに突進する」
「イエス·メン」
「頭を殺せばいいだろう。」
◆
「見れば見るほど、艦船よりは騎兵廠のような形をしている。」
俺の子供に刺された憎たらしい奴を見ながらつぶやいた。
その時、くちばしの艦船が大量に艦橋に突進してきた。
艦砲の事例に、機関銃の銃弾の雨に引き裂かれながらも、数字を信じているのか、むやみに突進してきた。
「第2主砲重力弾に換装」
砲から発射された黒い球体は、無秩序に押し寄せる敵の真ん中で爆発した。
まもなく見えない巨人が導くように、虚空の一点に大部分の艦船が連れて行かれた。
「第1主砲レッドクラスター弾発砲!」
さっきと同じように、砲弾が爆発すると小さなものが飛び出した。
さっきと違うのは、その小さなもの一つ一つが爆発する弾であること。
それも、内部で。
俺たちの贈り物を受け取ったくちばしの艦船の船体が内部から炎に包まれたままあちこちに飛び出した。
赤いものをむやみに吐き出すことがまるで生物体の悲惨な最期のようだった。
しかし、完全に防ぐには数が多かった。 大半を交換したが、1隻が韓国の砲撃を突破するのに成功したのだ。
艦橋への大規模な衝突とともに、乗組員たちがあちこちに転がっていった。
何度もやられた攻撃、ワープ突進だった。
このワープは短距離でしか発動できないようだが、海賊たちは無慈悲に押し寄せてきた後、ワープ突進でニックスに打ち込まれる戦術を好んだ。
帝国の最新戦艦ならこの程度はワープ機動で避けられただろうが、この旧型戦艦にそんなものがあるはずがない。
すぐにくちばしの艦船の正面ドアが開き、敵兵があふれ出そうとした。
やばい。
ここには白兵戦ができるのが1人だけだ。
その1人,ソルフスは俺を衝突から救い出し,剣を握り締めたまま私の前に立ちはだかった。
ユリアはその余波で椅子とともに遠くまで押し流された。
不満そうにつぶやいているのを見ると、死んではいないのが幸いだ。
その時、くちばしの艦船に何か乱入するのが見えた。
それはあっという間に俺の前にやってきた。
赤い稲妻に包まれた鋼鉄の翼を羽織っている少女だった。
赤い瞳がこの混乱と破壊の中でもはっきりと美しかった。
「お聞きしますが。」
彼女の赤みに似た赤死が彼女の暴力の上で沸き立っていた。
「皆さんの中で私のご主人様はどなたですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます