第5話

6


「明日は体力測定なので、体操服を忘れず持ってきてください。」

 

 体育委員の晴が帰りのSHRでそう告げた。

 

 日焼け止めってまだ、あったっけ……?


 体育が一日中あるのも嫌だけど、肌がやけるのはもっと嫌だ。


 日焼けしたら、半袖着れないよ……。


 私はドラッグストアに寄ってから、家に帰ることにした。


 翌日、朝のSHRが終わった後、私はひなと更衣室に向かった。

 

「ねぇねぇ。」

 

 ロッカーに荷物を入れていると右隣の子から話しかけられた。

 

「水曜日のバスケ部の見学にいなかった?」

 

「うん、いたよ。」

 

 私は入部届けをもらうために、一回だけ顔を出していた。

 

「やっぱり!もしかして、バスケ部入る?」

 

 彼女は、嬉しそうに声を弾ませた。

 

「そのつもりだよ。」


「ホント!?私も入るつもりなんだよね!」


 私が答えると、彼女はパッと表情を明るくした。


 そして彼女は「あ、自己紹介!」と慌てて言った。

 

「私、苗村なむら一花いちか。 よろしくね!」


 一花、か。仲良くなれそう。


「私は、紗波世凪。よろしく、一花。」


 私と一花は、ロッカーに体操服を詰め込んで体育館に向かった。


 

「うわっ、広!」

 

 一花は体育館の広さに驚愕していた。

 

「中学校もここで練習するの?」

 

「いや、中学の時は第二体育館を使ってた。」

 

「体育館が二個もあんの!?」

 

 一花は、さらなる衝撃を受けていた。


 めっちゃ見開いてる。

 

 目を丸くした一花の顔は、とても面白かった。

 

 そんな一花の先に同じように目を見開く右見瀬くんがいた。

 

 あ、右見瀬くんも驚いてる。

 

 彼の表情に目が引かれた。


 意外と、顔に出やすいのかも。


 彼の情報がひとつ増えた気がした。

 

 そこへ、授業開始のチャイムが鳴った。

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私の隣は君がいい パリパリチョコ @Pariparichoco

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