第8話 ニセモノ……瑤子の独白
『ハイブリット型独立AI家事支援アンドロイド<ユニットWK-001 SN00003*>』
これが“ニセモノ”な“私”の正式名称だ。
この<ユニットWK-001 SN00003*>は今、ベッドの上で横たわっている私と同じ
そして<ユニットWK-001 SN00003*>は独立AIアンドロイドと言う側面と四肢が不自由で寝たきりの私の
“私”の意識と私の意識は独立している事もあるが、融合によって一つになる……でも“私”のご主人である
康博さんは<家事支援アンドロイド>たる“私”には愛を告白してくれたけど、寝たきりのままの“生身”の私の事は知らない。
カレがこの事を知ったとしても……“私”の事を愛してくれるだろうか?
私という
この5年間、康博さんの傍に居て……奢りかもしれないけれど……カレは“私”を愛し続けてくれると思う。
でも、カレには何もしてあげられない“木偶人形”の私の事まで愛してくれるのだろうか?
もし、私と“私”が切り離されて、完全な別人となってしまったら……
ニセモノは私の方だ!
“私”はきっとカレの事を『私の夫』と言うだろう。
だって!かく言う私が
そう思うのだから!!
でも……こんな私達は……どちらも可哀想……
“私”はカレの“性”に応える事はできないし、カレの子供を身籠る事は出来ない。
寝た切りの私は……カレにキスさえしてもらえない!!
カレとの生活は5年間の契約。
タイムリミットはもうすぐ!!
だから私は心に決めた!!
カレに全てを告白した上で……
“私”に“営み機能”を付加し
カレと私と“私”で本当の夫婦となり……私はカレの子供を産むの!!
大丈夫!!
さっきはちょっと弱気になっただけ!!
私は何度も自分の命の危機を乗り越えて!
この愛に満ちた5年間に辿り着いたのだから!!
こんなにも幸せな絆を
手放す筈はないのだから!!
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