第6話 “私”のご主人様は私の夫④
実際に“私”として日常を過ごせる為の数か月の訓練の後、私は15歳の誕生日を迎えた。
お父様は私に“私”を使って学校へ行ってもらいたかったようだが……
「だったら“中学生”の“私”を作れば良かったじゃない!」と言い負かして『ハウスキーパーのお仕事がしたい!』と言う私の意志を通した。
いつ死ぬか分からない私だから……天国でお母様に逢った時、「私も人の為になる事ができたよ!」と胸を張って言いたかったから。
またまたお父様や響子ママを困らせてしまったが、私は、ロードテストの応募者の方々の中で一番
ところが実際に
「ああ!きっと!!恋人同士ってこんな感じなんだろうなあ……」って思わず夢見てしまう。
そりゃ!“私”はお母様と似ているから“美人寄り”だとは思うけど……“パートナーアンドロイド”のカタログに出て来る様な“見事な”美女ではない。
「金井さんが“私”を気遣ってくれるのは“私”が高額なアンドロイドだからだ!当たり前の事!」
私に戻って明りを消したお部屋の天井を見つめて自分に言い聞かせていると涙が溢れて来て……だいぶ伸びて来た髪と枕を濡らした。
でも、奇跡は起こった!!
満開の桜の樹の下で康博さんが「瑤子の事が好きだ!」って告白してくれて、私のくちびるにカレのくちびるが触れた時、私の全ては桜色に染まった。
その日の夜から“私”は
私は大好きな人の息遣いを感じながらベッドの中で眠りについた。
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