ウンコが、家に帰ってきました

柳谷(警戒MAX)「……こんばんは」

相談者(完全に動揺)「……こんばんは……あの、

ちょっと、どうかしてる話かもしれませんけど……」

柳谷「お名前年齢をお願いします」

相談者「安原、28歳、会社員です……」

柳谷(深呼吸)「……ご相談、どうぞ」



安原(早口)「えっとですね……今朝トイレで普通に用を足して、

ちゃんと流したんですよ。確認もしました。

でも、夜帰ってきたら、玄関に……いました。

さっきのウンコが、“ただいま”って顔して。**」



柳谷(ゆっくりと口を開く)「……安原、

まず聞くけど、

それほんまに“物理的に同じウンコ”って確信ある?」



安原(焦り気味)「間違いないです。あの角度、あの切れ目、

“俺が生んだやつだ”って分かりました。」



柳谷(目を閉じる)「……安原、

それはもう“排泄”やなくて、“出戻り”や。

お前の人生で一回手放したはずの何かが、

まだ“ここにいていい?”って聞いてるんや……」



**今夜のゲストは、都市環境衛生と異常排出物管理の専門家、

**村主 綾乃(すぐり・あやの)**先生です。



村主(冷静)「こんばんは。

まず物理的な可能性として、配管の逆流、浄化槽の不具合、

または**“高圧洗浄による逆圧”などが考えられます。

しかしそれが“玄関まで移動している”**となると、

**動物による運搬、または安原さんの“投影的記憶錯誤”**も視野に入れる必要があります。」



柳谷(少し投げやり)「簡単に言うと、

“ウンコが帰ってきた”っていうより、

**“お前がウンコに帰らせた”ってことやな!!!!!!!!」



安原(しんみり)「……なんか、

見つめ合ってたら、“まだお前の中にある”って言われた気がして……

……捨てたつもりで、自分が捨てられてたのかもしれません……」



柳谷(静かに)「……それでも、

もう一度トイレに流すのが、“大人の責任”や。

たとえ戻ってきても、

**“今度こそ出ていけ”って言える自分にならなあかん」



柳谷「ということで今夜もまた、

**“もう流したはずの過去に、いま向き合わされた男”**の声を拾いました。

子供は寝なさい、大人も寝なさい……

起きてるのは、今夜も――自分の汚点に、ちゃんとおやすみを言いにいこうとしている、あなた……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オトナ科学なんでも電話相談室 @nyapsody

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る