お尻の穴にアロンアルファをつけてしまいました……

柳谷(妙に落ち着いた声)「こんばんは」

相談者(声が震えている)「……こんばんは……」

柳谷「お名前年齢をお願いします」

相談者「早瀬、29歳、会社員です……」

柳谷「……ご相談を、どうぞ」



早瀬(涙声)「あの……昨日の夜、酔っ払ってて……

どういう流れだったかあんまり覚えてないんですが……

気が付いたら、お尻の穴にアロンアルファが……

ついてしまってて……

今……何も、出ていかないんです……」



柳谷(しばらく無言、深い呼吸)

「……早瀬さん、それはつまり……

“出口なき世界”に、自ら旅立ってしまったと。」



早瀬「……はい……

昨日から、“何も出ないまま、時間だけが過ぎていきます”……」



柳谷(静かに頭を抱える)「……それ、

**“人生の一時停止ボタン”**押したどころやないで。

“セーブ不可、終了もできない、詰みデータ”や。」



**今夜のゲストは、肛門緊急医療と接着剤誤使用事故の専門家、

**三浦 緋紗子(みうら・ひさこ)**先生です。



三浦(冷静)「こんばんは。

アロンアルファは皮膚に触れると瞬間的に硬化します。

特に肛門のような粘膜部位では、深部にまで影響が及び、

自然剥離はほぼ不可能。

医療機関での物理的除去、もしくは最悪の場合、手術が必要です。」



柳谷(抑えきれず)「なんでお前ら、アロンアルファを“塗るなきゃ死ぬ呪いの液体”みたいに扱うんや!!!!!!

何度言わせるねん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



早瀬(泣きながら)「……あの、先生……

このまま出なかった場合、人は……どうなるんでしょう……?」



三浦(即答)「腸内にガスと老廃物が充満し、

最終的に腸管破裂、敗血症で命を落とします。

迷わず救急車を呼んでください。」



柳谷(静かに)「……早瀬さん、

今、お前がしなきゃいけないのは、意地でも開けることじゃない。

命を繋ぐ電話をかけることや。

お前の出口は、今、110番か119番にある。

……間違うなよ?」



柳谷「ということで今夜もまた、

**“人間が自ら閉ざしてしまった扉”**の話を拾いました。

子供は寝なさい、大人も……今日は特に、寝る前に確認してほしい。

“その出口、ちゃんと開いてますか?”

起きてるのは、今夜も――戻れない場所に立ってしまった、あなた……」

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