Ep43:新星見キッズの始動

星見小学校は新学期の賑わいを見せていた。


6年生になったシュウとタクミは、星見キッズを再編するため、新たなメンバーを探していた。


いろんな生徒の中から目星をつけた5年生の3人を誘い、ようやく新しいチームが形になった。




新メンバー1人目は、山下凛人(リント)。イケメンでメガネが似合う5年1組の生徒だ。身長はシュウより少し高く、某アイドルグループにいそうな整った顔立ちが印象的だった。




2人目は、戸川晴(ハル)。クラスの人気者で、身長はかなり低いが、頭が良くひらめきが鋭い。いつもみんなの注目の的だ。




3人目は、原優希(ユウキ)。見た目が大人っぽく、身長はシュウやタクミとほぼ同じ。父親が刑事で、以前から星見キッズの活躍を知っていた。






放課後、シュウとタクミは新メンバー3人を校庭の桜の木の下に集めた。


シュウがノートを手に、3人に語りかけた。


「リント、ハル、ユウキ…。星見キッズにようこそ。僕たちは、星見小学校の謎を解くチームだ。君たちなら、活躍してくれると信じてる」




リントがメガネを軽く押し上げ、爽やかに微笑んだ。


「シュウ、タクミ、ありがとう。星見キッズのことは噂で聞いてた。僕でよければ、喜んで加入するよ」




ハルが元気よく拳を突き上げ、目を輝かせた。


「シュウ、タクミ、僕もだ! 星見キッズ、かっこいい! 謎解きなら任せてよ!」




ユウキが落ち着いた口調で頷いた。


「シュウ、タクミ、父から星見キッズの活躍を聞いてた。僕も力になれると思う。よろしく」




タクミがシュウの手を握り、嬉しそうに言った。


「シュウ、新しい仲間、最高だね! 僕、みんなと一緒に冒険するの、楽しみだよ…」




シュウがタクミの髪を撫で、微笑んだ。


「うん、タクミ…。僕もだ。星見キッズ、5人で再スタートだ!」




新メンバーの3人は星見キッズの活動を知っており、快く引き受けてくれた。しかし、シュウにはある真意があった。女子を入れなかった理由は、「僕とタクミの関係を邪魔されたくない」という思いだった。シュウはタクミとの絆を何よりも大切にしており、新しいチームでもその関係を守りたかったのだ。






その時、4年2組の女の子が校庭にやってきた。


女の子がシュウに近づき、小さな声で話しかけた。


「シュウさん…。星見キッズですよね? リコーダーがなくなった件…。探偵団が解決できなくて…。お願い、探してほしい…」




シュウが女の子に優しく微笑み、頷いた。


「もちろん、引き受けるよ。星見キッズの新しいチームで、必ずリコーダーを見つける」




タクミが女の子の肩を軽く叩き、元気づけた。


「うん、大丈夫だよ! 僕たち、頑張るから!」




リントがメガネを光らせ、冷静に提案した。


「シュウ、まずは現場を調べよう。4年2組の教室だね」




ハルがひらめきを発揮し、目を輝かせた。


「シュウ、犯人がリコーダーを隠したなら、音楽室とか、別の場所にあるかも!」




ユウキが父親から学んだ知識を活かし、補足した。


「シュウ、父が言ってたけど、盗難事件は動機が大事だ。リコーダーを盗む理由…。そこから考えよう」




シュウがノートにメモを取り、チームに指示を出した。


「みんな、いい視点だ。リントとハルは教室を調べて。ユウキとタクミは音楽室をチェックして。僕も一緒に行くよ」




新星見キッズは早速動き出した。4年2組の教室では、リントが足跡や机の乱れを確認し、ハルが窓の開閉状況をチェックした。


ハルがひらめいた。


「この窓…。開けた跡がある! 外に隠したかも!」




一方、音楽室に向かったシュウ、タクミ、ユウキは、楽器棚の奥に不自然な隙間を見つけた。ユウキが手を伸ばすと、リコーダーが隠されていた。


「シュウ、見つけた! ここにあった!」


タクミがシュウに抱きつき、喜んだ。




「シュウ、すごい! 僕たち、やったね…」


シュウがタクミの額に軽くキスをし、微笑んだ。


「うん、タクミ…。みんなのおかげだ。ユウキ、よく見つけたね」




チームは女の子にリコーダーを返し、感謝された。




シュウがノートに事件の詳細を記録しながら、チームを見回した。


「みんな、初仕事お疲れ様。星見キッズ、新チームのスタートだ!」




リントがメガネを押し上げ、微笑んだ。


「シュウ、タクミ、これからもよろしくね。楽しいチームだ」




ハルが拳を突き上げ、元気よく言った。


「シュウ、次も謎解き、頑張るよ! 星見キッズ、最高!」




ユウキが落ち着いた口調で頷いた。


「シュウ、父に報告したら、喜ぶと思う。僕ももっと力になれるよう頑張る」




その夜、シュウは自宅でノートを見直していた。新チームの活躍と、タクミとの絆が心を満たしていた。


「タクミ、リント、ハル、ユウキ…。新しい星見キッズ、いいチームだ。僕とタクミの関係も、これなら守れる…」


シュウは窓の外を見つめ、新学期の新たな冒険に思いを馳せた。桜の花びらが舞う中、星見キッズの新しい章が動き始めていた。




(Ep43 完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る