Ep8:図書室の殺人(後編)

前編で、佐々木美奈子さんの〇人事件のトリックに気づいた、シュウ。


彼女は犯人に操られ、自傷をさせられ、その後窒息させられた。


血を本棚の裏に隠すことで、〇因を偽装したのだ。


手がかりは監視カメラの影と、血の染みた布切れ。


僕たちは犯人を追う決意を固めた。




学校が再開し、警察の捜査が続く中、僕たちは布切れを調べ始めた。




リナがスケッチブックでその模様を再現し、どこかの制服に似ていると気づいた。


「これ…体育着の袖口の模様だよ。学校の備品だ!」リナが興奮した。




「体育着…。なら、犯人は学校関係者か生徒の可能性が高い。タクミ、体育倉庫の在庫リストをチェックして」僕は指示を出した。




タクミがパソコンで在庫を確認すると、昨夜、体育着が1着不足していることが分かった。


「シュウ、昨夜、誰かが体育倉庫に入った形跡がある。監視カメラに映ってた影と一致するかも」




「よし、監視カメラの映像をもう一度見直そう」僕は校長室に戻り、映像を分析した。




影の動きから、身長は小学生くらい。だが、顔は隠れていて特定できない。だが、体育着の袖が一瞬映り、布切れと一致した。




「犯人は小学生…。でも、なぜ佐々木さんを?」ケンタが首をかしげた。




「星見計画の財宝を巡る争いだ。佐々木さんは守護者だったが、誰かが彼女を排除したんだ。トリックは、佐々木さんにナイフで軽い傷をつけさせ、血を出す。そして、口を押さえて窒息させた。血を隠すことで、即〇に見せかけたんだ」僕は推理を展開した。




「でも、佐々木さんを操るなんて、どうやって?」カナエが疑問を投げかけた。




「それが鍵だ。犯人は佐々木さんの弱みを握っていたか、脅迫した。監視カメラの影が体育着を着ていたのは、証拠を隠すためだ」僕はノートに書き込んだ。




その時、体育倉庫で物音がした。


僕たちは急いで向かい、倉庫の奥で一人の少年を見つけた。


3年1組の山崎翔太くんだった。手に血のついたナイフを持っている。




「山崎くん…! なぜこんなことを?」リナが驚いた。




山崎くんは目を血走らせ、震えながら言った。


「佐々木さんが…財宝の場所を教えてくれなかった。僕の家族が困ってるのに…。星見計画の財宝で助けたかったんだ…」




「君が佐々木さんを…?」僕は冷静に尋ねた。




「うん…。彼女を脅して、ナイフで傷をつけさせた。血を隠せば、すぐに〇んだと思われるって、ネットで調べた。口を押さえて…終わらせた。でも、警察が来る前に隠したかった…」山崎くんが涙を流した。




「トリックは完璧だったけど、血の量と傷の浅さが不自然だった。佐々木さんが自分で動いた証拠だよ」僕は推理を完成させた。




山崎くんは警察に引き渡され、事件は解決した。彼は家族を救うため、星見計画の財宝を狙ったが、道を誤ったのだ。警察は財宝の捜索を続け、星見小学校の過去がさらに明らかになるかもしれない。




「シュウ、すごい…。名探偵みたいだったよ」カナエが感心した。




「うん。でも、山崎くんがそんなことをするなんて…。星見計画、まだ終わりじゃない気がする」僕はランドセルを背負い直し、桜の木の下で考え込んだ。




(Ep8 後編 完)

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