Ep9:地下室の財宝
星見小学校で起きた佐々木美奈子さんの殺人事件を解決した僕たち「星見キッズ」。犯人の山崎翔太くんの供述から、星見計画の財宝が校舎の地下に隠されている可能性が浮上した。
5月下旬、警察が発掘作業を進めている中、僕たちは新たな手がかりを探していた。放課後、僕たちは校庭の桜の木の下に集まった。
警察が校舎の地下を調査している間、僕たちは山崎くんの供述を基に、地下室への入り口を探すことにした。
「シュウ、山崎くんが言ってた『地下室の鍵』って何だと思う?」カナエがランドセルからノートを取り出しながら尋ねた。
「まだ分からないけど、星見計画の暗号表と関係があるかもしれない。リナ、図書室で手に入れた暗号表のコピー、持ってる?」僕はメガネを直した。
「うん、ここにあるよ」リナがスケッチブックを開き、暗号表を見せた。
そこには、「地下への門は星見の中心にあり」という一文が。
「星見の中心…。校舎の中心ってこと? 校舎の設計図を見れば分かるかも」タクミがタブレットを取り出した。
タクミが学校の古い設計図をハックして見つけると、校舎の中心に古い地下室への入り口が記されていた。入り口は、旧体育館の床下にあるらしい。
「旧体育館か…。そこなら警察もまだ調査してない。行ってみよう」ケンタが拳を握った。
旧体育館に忍び込むと、床に古いトラップドアが隠されていた。暗号表の数字を使って錠を開けると、ギィッと音を立ててドアが開いた。暗い階段が地下へと続いている。
「シュウ、ちょっと怖い…。本当に大丈夫?」リナが不安そうに言った。
「大丈夫。みんなで一緒なら平気だ。懐中電灯を持ってるよ」僕はみんなを励まし、階段を降りた。
地下室は湿っぽく、カビ臭い空気が漂っていた。壁には古い軍の地図や資料が散乱している。奥に大きな木箱があり、開けると中には金貨や古い軍のメダルが詰まっていた。
「これが…星見計画の財宝だ!」カナエが目を輝かせた。
「うん、戦時中に隠されたものだね。軍の物資として使われていたけど、終戦後に隠したんだろう」僕はノートにメモした。
その時、地下室の入り口から足音が聞こえた。
振り返ると、黒い服を着た男たちが数人、銃を持って立っていた。
「お前たち、よくここを見つけたな。だが、その財宝は我々のものだ」
「あなたたち…誰?」僕は冷静に尋ねた。
「我々は星見計画の最後の関係者だ。財宝を取り戻し、計画を完遂させる。邪魔者は排除するしかないな」リーダーの男が銃を構えた。
「逃げよう!」ケンタが叫び、僕たちは地下室の奥へ走った。
男たちが追いかけてくる中、地下室の奥に隠し通路を見つけた。通路を進むと、校庭の別の場所に出た。
「シュウ、警察に連絡しないと! あの人たち、危険だよ」タクミが息を切らした。
「うん、校長室から電話を借りよう」僕は急いで校長室に向かった。
校長室で警察に連絡し、状況を説明した。警察がすぐに駆けつけ、男たちを逮捕した。男たちは戦後の混乱期に星見計画を引き継いだ組織の一員で、財宝を使って新たな活動資金を得ようとしていたらしい。財宝は警察に引き渡され、星見小学校の歴史の一部として博物館に展示されることになった。僕たちはまた一つ大きな事件を解決したが、星見計画の全てが明らかになったわけではない。
「シュウ、次はどんな事件が待ってるかな?」カナエが笑った。
「分からないけど、星見小学校にはまだ秘密がありそうだ。夏休みが来る前に、もっと調べておこう」僕はノートを閉じた。(Ep9 完)
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