9,オーラの光
地上に降りるとソニヤとアロンがロビーで待っていた。
「アロン、ソニヤさんおはよう」
「皆さん上空から見たアンドロメダ星の景色はどうでしたか」
「夕日や夜景、それに夜空もとっても綺麗で感動しました。それと部屋がとても素敵で驚きました」
「皆さんに喜んで頂けて良かったわ」
「では今日は、アンドロメダ星の主な場所を案内するね」アロンが先頭に立ってシップに乗り込んだ。
「今日皆さんを案内したい場所は、アンドロメダ星の中心部とも言える、この星の最も重要な場所なんだ」
「そんな凄い所があるんですか」良太が不思議そうに聞いた。
「そこはこの星の全ての中心と言っても過言ではないんだ」
「皆さんには是非見て頂きたい場所なのよ」
「そうですか、なんだか楽しみだわ」由香里は興奮気味だ。
しばらくシップが空を飛んでいると、遥か遠くに眩しく輝く場所が見えてきた。
「アロン、あの眩しい光は何だい」
「あれが皆さんに見て頂きたい所なんだ」
その眩しく光る場所に段々と近づくにつれて、その場所はドーム型の丸い山で、その山の周りを囲むように山脈が連なっているのが分かった。そのドーム型の山の頂上から四方八方に眩しい光が発せられていたのだった。
「アロン、あの光から凄いエネルギーを感じるよ」雄介は、その光を見て心が躍った。
「雄介、君には分かるね。そうだあそこは、歴代のギャラクシーユニオンの総理事長で、しかも魂レベルが6に達した人の魂を安置している所なんだ。それにこのドーム型の山は、以前この星に衝突した隕石なんだよ」
「じゃあこの山は、あの時の隕石なんだ。その隕石の頂上から出ている光は、オーラの光なのかい」
「そうだよ、この場所はアンドロメダ星の聖地とも言える場所だ。歴代の総理事長で、しかも魂から強いオーラを発することができた方は、亡くなってもなお、我がアンドロメダ星をオーラの力で守ってくれているんだよ」
「亡くなっても。何て凄いことなんだ。魂のレベルを上げると肉体がこの世から無くなったとしても、魂の力で人々を守ることができるなんて」雄介は、心の底から身震いしてきた。
「そうだよ、雄介。あのオーラの光は、このアンドロメダ星を守り、そしてアンドロメダ星人の心を幸せの心に保ってくれる、手助けをしてくれているんだ」
「何て凄いんだ。オーラの力は僕が想像していた物より遥かに凄い」
「雄介さん。あなたの魂もレベルが六に達しているわ。まだ魂のオーラは出せていないけど、あなたはきっと素晴らしいオーラの力を出せるわ。そしてそのオーラで地球の人々と、この宇宙の人々を幸せに導いてね」ソニヤが優しく雄介に言った。
「ありがとうございます。アロン、ソニヤさん。僕達をこんなに凄い所に連れて来てくれて。僕はもう感激です」
「雄介、凄いよ。君が今朝言っていた魂のオーラがこの星を守っているなんて」
「そうよ、雄介君。雄介君の夢が目の前に有るのね」
「凄いよ、凄すぎるよ。僕も魂のオーラが出せるように頑張るよ」雄介は、魂のオーラのもの凄い力を目の当たりにして、身震いが止まらなかった。
「雄介、魂のオーラは誰にでも出せる物では無い。この宇宙波動エネルギーに選ばれし人間にだけに与えられた能力だ。雄介、君はその選ばれし人間なんだよ」アロンが雄介の肩に手を置いた。
「アロンありがとう。頑張るよ」雄介も自分に与えられた使命の重大さに、改めて身が引き締まる思いだった。
「アロン、一つ質問をしていいかい。アンドロメダ星の人々は、全ての人々が幸せな心だけど、それをどのようにして確かめ、そして維持しているんだい」
「そうだね、人の心は変わりやすい。それに幸せな良い心を使っていても、ついつい悪い感情も出てきてしまったりもする。それを常に幸せな良い心で保って居られるかが問題だよね」
「アロン、僕には地球人の心の中を感じることができる。今の地球人の心の中は、悲しみや憎しみ、それに嫉妬や絶望の心が段々と増えてきているのが感じるんだよ」
「そんな悪い感情がもし、この星の人々の心にも増えてきたら、あの山の上から発せられているオーラの光に変化が起きるんだ」
「オーラの光に」
「そうさ、このオーラの光は、このアンドロメダ星の人々の心の状態を示す明かりでも有るんだ。このオーラの光に変化が起きると直ぐに全星人に知らせがいって、人々は自分の心の状態を確認するんだ。悪い感情を野放しにしていれば、それが拡大してやがては星を滅ぼす結果に繋がりかねないからね。
アンドロメダ星は、以前隕石落下を経験しているからその点は敏感になっている。もしオーラの光の変化の連絡が入ると、人々は自分の心の状態を確認して、良い心に保つ努力をするんだ」
「凄いね、それは」
「雄介、君にはこのオーラの光の代役ができるよね。君が地球に帰ったら地球人の心の状態を地球の人々に伝えて、改善していくようにしなければならないね」
「そうだね、僕がこのオーラの光の代わりをして、地球人の心を常に良い様態に保ち、そして全ての地球人を幸せな心にしていかないといけないね。そしてそれを全ての惑星にも広めていくよ」
「頑張ってね、雄介さん。雄介さんなら必ず地球や宇宙の全ての惑星を幸せに導くことができるわよ」ソニヤが優しく微笑んだ。
「ありがとうございます。頑張ります」
「それでは、そろそろ次に行きましょう」そしてソニヤが次の目的地をシップに指示した。
「ソニヤさん、次はどんな場所なんですか」良太が尋ねた。
「次は、愛と感謝と平和の基本となる場所です」
「それは凄いですね」良太が感心している。
「良太さん。この宇宙の愛と感謝と平和の基本は何だか分かりますか」ソニヤが良太に聞いた。良太が腕組みをして考えている。
「良太君、あなた分からないの」
「由香里には分るのかい」
「そうね、たぶんそれは心かな」
「心は大切だね。でもどんな心が大切か分るかい」アロンが聞いた。雄介達三人が首を傾げて考えている。
「それはね、家族に対する心です」ソニヤが答えた。
「そうなんだ。家族への心が大切なんですね」三人が大きくうなずいた。
「そうです。この宇宙は、どこに行っても家族が基本なのです。家族がまとまり、家族が真の愛の心で結ばれていれば、その家族は幸せです。そしてその星の全ての家族が愛の心で結ばれていれば、その星は平和で全ての人が幸せなのです」
「そうなんですね」雄介が、感心している。
「それでは、そろそろ到着です。この星の家族の愛が分る場所があそこです」ソニヤがシップの窓から外を指差した。
雄介達三人が、ソニヤの指差した方を見ると、そこには少し大きめの宇宙船が空に浮かんでいた。
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