第二話

「え、っと!まず後ろ姿とか顔!

 外見部分の話だね。あとは声とかもかな!」


自分じゃよくわからん…


こんなに似てる人はこの世に存在するのか?


あっても双子ぐらいじゃないか。


けど僕には兄なんかいないはず…


「んじゃあこんだけの要素があれば僕は玲衣ってことですね。」


「うんうん、君は玲衣なんだよ!

 というか____」


さっきよりも目の前にいる人の表情が明るくなった気がする。


それに最後に何か言ってたような、?


けれどうまく聞こえなかったし考える余裕もないので気にしないことにした。


「わかりました、僕は玲衣、という名前なんですね。

 そこで聞きたいんですが、あなたは何て名前なんですか?」


完全に納得したわけじゃないが僕は玲衣ということにした。


「私は燈!長谷川燈っていうんだ!

 いい名前でしょー!

 わかってなさそうだから言っとくね、君は竹宮玲衣!かっこいい名前だよね~」


目の前にいる元気な子は燈さん、僕は竹宮玲衣。


竹宮玲衣、いいな、


「長谷川さん、ありがとうございます」


「えいや全然!!というか長谷川か燈で呼んで!?

 今までの玲衣ならそうやって呼んでくれてたからー!

 あとよろしくじゃなくてただいまだし」


色々元気な人だなぁ、これまでの僕はこんな人と付き合ってたのか、とても無理そうなんだけどな、そう思った。


「長谷川さ…違う、長谷川、ただいまです」


一瞬むすっとした表情になったが言い直してすぐとてもきれいな笑顔に戻った。


「ふふん、それでいいのだー!

 慣れたらちゃんと燈って呼ぶんだよ!!

 あと敬語なくす!ちゃんと頑張ってね」


「わか、った」


「うんうんそうそう」


そういいながら満足げな表情を浮かべる長谷川さんだった。

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