第5話 現実世界への帰還~さらなる未来に向けて

「ログアウト・プロトコル実行。現実世界への帰還を開始します」


 システムの声とともに、学園の景色が徐々に溶け始める。

 マリカの意識は、仮想空間から現実へと戻っていく。

 和み亭の小さな部屋で目を開けると、既に夕暮れ時だった。


 「ただいま戻りました〜」


 マリカは制服からいつもの着物に着替え、手にはアキラ先生からもらった『クオンタム・インターリンク』を握りしめていた。

 仮想空間のアイテムが現実世界に反映されることは珍しいが、アキラ先生の「量子バッファリング」技術のおかげなのだろう。


 「お帰りなさい!今日は学校はどうだった?」女将が優しく尋ねる。


 「すごく充実してたよ!アキラ先生に褒められたし、新しい課題もいただいたの!」


 夕食の準備を手伝いながら、マリカは学校での出来事を生き生きと語った。


 夜、自分の部屋で、マリカは小さなノートに今日の学びを書き留めていた。最後のページには、彼女の夢が大きな文字で綴られている。


 『全ての言語を繋ぐ、ユニバーサル・インターフェース』


 窓の外には、満天の星が輝いていた。どの星も、それぞれの言葉で語りかけているようだ。いつの日か、全ての星々の言葉を理解し、繋ぐことができるだろうか…。


 マリカはそんなことを考えながら、明日の課題へと意識を向けた。

 

【閑話:コード・アカデミア~マリカの仮想学園日記~ 了】

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転生SEの異世界どすこい無双外伝 ~コード・アカデミア ~マリカの仮想学園日記~ 藤紫 雫 @kurobee1974

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