加納 誠一(かのう・せいいち)
[log] 1985/09/02 06:23:00
誕生。大阪府東大阪市。
祖父も父も現場職人。
小学生のころから「現場で食ってく」って言ってた。
冗談はうまく、真面目さはそこそこ。
> assign.name: 加納 誠一
> family.tradition: 土木建築
> motto: 安全第一(やったらええんや)
[log] 2004/04/01
建設会社入社。
とび職。
「新人に優しい兄貴」として評判。
でも口癖は「ヨシ!」
確認しなくても指差せばOKやろ、という空気があった。
> role: 鳶職リーダー
> safety.habit: nominal
[log] 2021/07/14
Twitterで“現場猫”を知る。
「これ、ワイやん」
ヘルメットに猫耳ステッカーを貼る。
現場でふざけて「ヨシ!」を叫ぶ姿が仲間内でバズる。
> persona: 現場猫モード
> self-awareness: ironic
[log] 2023/05/08
仮設足場点検。
「昨日やったから大丈夫」
高所作業。ハーネスは腰にかかっていたが、未装着。
手すりの固定ピン、1本欠損。
「ヨシ!」
その声と、金属音が重なった。
> harness: unclipped
> condition.check: skipped
[log] 2023/05/08 14:12:43
転落。
高さ11.4m。
地面に接触、即死ではなかったが、
救急到着時には心肺停止。
> fall.height: 11.4m
> final.words: “あっ”
[log] 2023/05/09
会社がコメント:「本人の確認不足が原因」
誰も責めなかったが、誰も冗談を言わなかった。
彼のスマホの壁紙には、現場猫のイラストと
「確認ヨシ!」の文字があった。
> memorial.status: quiet
> last.message: unread
[log] 最終出力:
ふざけるなら、死ぬな。
笑わせるなら、残れ。
「ヨシ!」の重さに、誰よりも遅れて気づいた。
> logout
ログアウト @nyapsody
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ログアウトの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます