山田 千代(やまだ・ちよ)

[log] 1933/09/01 05:10:00

誕生。広島市中区。

お産婆さんが「元気な子です」と笑った。

名前は「千代」、長く幸せが続くようにと。


> assign.name: 山田 千代

> era: 昭和8年

> world: still quiet


[log] 1940/04/08 07:01:00

国民学校入学。

配給の下駄、貸与のカバン。

「勉強して、先生みたいになる」と言っていた。


> dream: 小学校教師

> favorite.subject: 国語


[log] 1945/07/25 14:42:00

戦況悪化。学徒動員の話が学校で出る。

千代たちは動員されず、代わりに**建物疎開作業**に出ることが決まる。


> assignment: 火除けのための家屋解体作業

> location: 本川町


[log] 1945/08/06 07:45:00

集合時間。友達と水筒を見せ合う。

「今日はすごく晴れてるね」と空を見上げた。

先生が「作業は静かに。火傷しないように」と注意。


> log.entry.last_words:「行ってきます!」

> timestamp: +00:04:12 to impact


[log] 1945/08/06 08:15:17

爆心地より約600m。

**光、熱、風、音、沈黙。**

そのすべてが一瞬にして押し寄せた。


> status: ceased

> biological integrity: destroyed

> sound: none

> remains: not recovered


[log] 数日後

母が焼け跡を歩き続け、娘の水筒の破片を拾う。

名前が焼け焦げて読めなくなった布巾だけが、千代の痕跡だった。


> grief.log: permanent

> faith: unanswered


[log] 年月を経て

同級生の誰かが千羽鶴を折り続ける。

学校の片隅に、彼女の名前を刻んだ石碑が建つ。

誰も顔を知らなくても、「千代」はそこに残った。


> archive: /hiroshima/children/yamada_chiyo.log

> final_output:「夢の途中だった」

> power.off

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