第6話恋のはじまり
二人で年末詣?に行った。会社の人に見つからないように早めに神社に行くことにした。奏斗君が私の家まで迎えに来てくれた。初めての助手席。少しドキドキしていた。凄く安全運転だし、やはり運転している男の人は格好良く見える。
今までどんな年末年始を過ごしてきたのかお互い話をして盛り上がった。わりと面倒くさがりの奏斗君は家で過ごす事が多いらしい。熱帯魚のお世話をしてのんびり猫ちゃんと戯れるそんな休みを満喫するみたいだ。
「ルミさんが暇な時またどこかに行こう。」
お参りも終え、帰りの車の中で奏斗君が誘ってくれた。嬉しかったのに直ぐに反応することが出来なかった。こんなに歳が離れてるのに誘いに乗って良いのだろうか?からかわれている?グルグル色んな事を考えて、
「そうだね。奏斗君連れて行ってね。」
奏斗君のおみくじにの恋愛の欄には
『今はまだ早い』
と書いてあった。今のこの私の気持ちは届かないって事かな?そんな事を考えながら、
「そう言えば、奏斗君、恋はまだ早いって書いてあったんだよね。でも、仕事だけじゃ詰まらないし恋もしようね。出来たら良いよね。」
「仕事だけじゃ詰まんないし、できればしたいかな?」
「だよね。頑張って。」
見守るような探るような複雑な気持ちで奏斗君を見つめた。もっとお話をしたかったが奏斗君とのこの関係は難しくて一緒に居たいとは言えずに帰路に着いた。
休みはあっという間に終わってしまった。でも、仕事になれば毎日奏斗君に会えるし、仕事が嬉しかった。
年始の挨拶を終え仕事に取り掛かる。休み明けはやはり脚がパンパンに疲れていた。帰りがけ明日の予定表を配る奏斗君が私にハートの型に折った予定表を渡してきた。
「はい、コレ!」
えー!?どんな反応して良いのかわからなくてそのハートで顔を隠した。奏斗君は私をからかって楽しそうに笑っていた。
「あ、大丈夫。ちゃんと余分な紙で作ったから。」
私はそれを大切に持ち帰って大事にしまった。夜にラインが鳴った。待っていた奏斗君からの連絡だった。嬉しくて、飛び跳ねそうだった。きっと私の顔はニタニタしていたはずだ。
その日から本当に沢山連絡が来た。私からの連絡はあまりしないようにしていた。いつでもブレーキがかけられるように、歳上だし取り乱さないように…でも、通話もしていたし私のウキウキした声で私の『好き』は伝わっていたのかもしれない。沢山話して次の日会社で会って何だかずーと一緒にいるような感覚になっていた。
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