概要
少年が 天から授かったその声を 失うまでの話
昔、ある山の奥に、眠らずの呪いにかけられた山姫がいた。山姫の嘆きの声は冷たい風となって田畑の苗を枯れさせるので、付近の村では、ウタベと呼ばれる歌の上手な少年を山に捧げることを習わしとしていた。ウタベはその美しい歌声で山姫を慰め、よろこんだ山姫は、ウタベがいつまでも若く美しい声でいられるよう呪(まじな)いをかけた。しかし、ひとりの貧しい村娘が山へ迷い込んだ時から、呪いはほころびを見せ始める……
※この作品は、ノベルアップ+、pixivでも同時公開しています。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!不可逆の理と山姫の呪い
“いずこの地の果てかは定かでないが、ある山奥の洞穴に「眠らずの山姫」と呼ばれる妖異がいた。この山姫は眠ることができない呪いにかけられており、その苦しみに夜となく、昼となく、声をあげて泣きむせぶので、この名がついたのであった。”
におい立つような語り口から始まる冒頭。まるで雲海から舞台となる山や村を望むようで。
語り部を前にして「さあ、これからどんなお話をしてくれるのだろう?」と楽しみに、同時に神妙な心持ちになって聴き入りたくなります。
山姫は「ウタベ」として差し出された少年・東風彦(あゆひこ)に不老の呪いをかけ、永遠に若く美しい歌声を望みます。
代わりに山姫が保護者として、東風…続きを読む