第3話 赤子の匂い

あの時のこと話してくださいって言われるの

何年ぶりなんでしょう、

いいですよ

あの事件結構人いたはずなのに

何故私なんかに、、

あぁすみませんお話ですよね

いいですよ、あの時の、あの日のこと

あの日は肌が焼ける様な熱さでした

過去最高記録の熱さだったとか

その時1人の男の子が倒れて病院に搬送された

らしいんですよ、他人事みたいって、

まあほとんど他人事ですし

でも親戚ではあったので

仕方なくとも葬式に行きました

その子は私の姉の息子だったので

私にも息子がいたんですけど、

あ、すみません感傷に浸っちゃってました

話に戻りますね

同じ子供を失った思いはちゃんと私にも

分かるんです、分からない方がいいんですけど

でも慰め方とか分からなくて、

私も同じような気持ちだったからわかるとか

そんな感じの慰め方してて、

そしたら姉は

「あんたはまだ顔も見てないでしょ

私はもう自分の子の顔みたの、同じにしないで」

って、酷くないですか?

私も子供を失ったのは同じなのに

その後姉の夫も子を追うように、

あの人、姉が連れてきた時からおかしいと思った

んです、なんか変な匂いするし、

別に臭いとかじゃないんですけど

赤ちゃんの匂いがしたんです

その時友達が子供産んでてその子に会いに行った

時、久しぶりに赤ちゃんの柔らかい匂い

嗅いだんです、そんな感じの

赤ちゃんにしかないようなそんな匂い

関係あるか分からないんですけど

夫も死んで結構病んでたんでしょうね

姉も車に轢かれてね

別にこんなに面白くないこと

聞いて何するんです?

記事にしたり?違うんですか

まあどうでもいいですけどね

え、私がしたのかって?

いやいや、子供を失った気持ちは分かるし

別に怒鳴られただけで人殺しなんてしませんよ

殺人の可能性はあるらしいですけどね

あぁ、、その話は今度時間があったら、

では

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