02 のこされし子供達 血の海に沈む愛:運命



 真っ赤な血の海の世界に、一人の女がいた。


 女は何度も夢の世界で、血の海の世界を訪れる。


 その女には目的があった。


 血の海に沈んでいく、可愛いハートたちを、女の宝物を助けるという目的が。


 ハートは女にとって、とても尊いもので、宝石よりも大事なもの。


 女の全てにかえても、守らなければならないものだった。


 だから、女は毎回ハートを助けようとする。


 血の海に静まないように、助けようとする。


 しかし、ハートは沈んでしまう。


 何度足掻いても、助ける事ができない。


 百度やっても、百回失敗し。


 千度やっても、千回失敗する。


 一日に何度も夢を見るその女は悟った。


 ハートは助けられない。


 これは運命で定められているのだと。


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