のこされし子供達 血の海に沈む愛 短編集

仲仁へび(旧:離久)

01 のこされし子供達 血の海に沈む愛:孤独



 真っ赤な血の海がある。


 他の色なんて存在しえない。


 赤すぎる、赤い赤い海。


 血の色だけでできたその海に、ハートが沈んでいく。


 愛情を込めた心が沈んでいく。


 それを見ている人影がいて、そのハートをなんとか助けようとするけれど。


 何もできない。


 人影は、眺める事しかできない。


 目の前の光景に、出来ることは無いと突きつけられた人影は、途方に暮れる。


 誰か助けてほしいと思い、辺りを見回しても、そこには誰もいない。


 人影は孤独で、一人だけ。


 どれだけ時間が過ぎても、一人だけ。


 やがてハートがすべて血の海に飲まれてしまっても、誰もいないまま。


 間に合わなくなって、その後に人影が生き続けなくてはいけないとしても、誰も現れない。


 そう思い知った人影は、心を壊してしまった。


 絶望が、孤独が、人影のハートも犠牲にしてしまった。


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