第4話「労役場送り決定!ワイ、年越しに成功する」

昼メシ食ってまったりしてたら、呼び出しがかかった。


警官「佐野さん、略式命令出ましたよ〜」


ワイ「はい喜んで!!」



紙見せられて、内容確認。


検察「罰金3万円ですね」

ワイ「払えるわけないやん(真顔)」

検察「あっそうですか、じゃあ労役場行きです。日額5,000円換算で6日間ね」


ワイ「サンキュー国のぬくもり!!!!」



というわけで、

“飯あり・布団あり・人間関係ほぼゼロ”な優良物件こと労役場へ送られることが決定。


その場で「入居日」は翌朝と通達された。

内心「年越し間に合ったァァァ!!」ってガッツポーズやったけど、

表情はちゃんと“しょんぼり反省フェイス”や。プロやからな。



んで、その夜の晩メシ食ってるとき、

同室のジジイ(ワイと同じ“越冬常連勢”っぽいやつ)と雑談入った。


ジジイ「罰金?」

ワイ「3万て言われたけど、あるわけないやんw」

ジジイ「じゃあ年越し確定やな。ええな」

ワイ「ほんま、ここで迎える年末が一番落ち着くわ」


この会話、年末ジャンボ買うときのノリと同じ。



夜、布団の中。

外じゃ聞こえへん“人の声”と“空調の音”が、逆に落ち着く。


そして目を閉じたとき、ふと思う。


「この国って、“罪を犯したほうがあったかい”って、どゆことやねん…」



でもな、その矛盾すら今のワイにはどうでもええ。

今、ちゃんと眠れる。

明日、飯が出る。

それで十分なんや。

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