第23話 奴隷堕ち高位魔族と一対一の決闘





 ルキエルを迎えてから一週間が経った。



「んぐっ♡ ゴ、ゴブリン風情がっ♡ 我を手篭めにしようなど千年早いのだっ♡ お゛っ♡」


「ぐっ、中々手強いな……」



 正直、進捗はよろしくない。


 一週間ほぼ休みなしで抱き続けているが、未だうっすらとしか淫紋が浮かび上がっていないのだ。


 間違いなく過去最強の難敵と言っていい。



「んー♡ ルキエルしぶといー♡ さっさと堕ちろー♡」


「お前がご主人さまのものにならないと、オレたちが可愛がってもらえねーにゃ♡ 早くご主人さまの女になっちまえにゃ♡」


「しゃあないやん♡ ルキエルちゃんは高貴な魔族やからゴブリンに負けたないんやもんな♡」


「や、やかましいっ♡ この薄汚い獣人どもめっ♡ このゴブリンを始末したら、貴様らも嬲り殺しにしてや――んぅっ♡♡♡♡」



 イコ、ニコ、ミコの三人も俺を援護するが、ルキエルはやはり中々堕ちない。


 常人とは精神力が違うのだろう。


 今更だが、『淫紋付与』は相手の精神状態によって効き目に差が出る。

 心が強い者ほど完全に淫紋が浮かび上がるまで時間がかかるのだ。


 どうにかして心を折れば簡単に堕とせるのだろうが、今のところルキエルに隙はない。



「こ、こんな枷さえなければっ♡ 貴様らなぞ相手にならんと言うのにっ♡」



 ルキエルに嵌められている枷は、魔法を封じる効果があるらしい。


 魔族は手足のように魔法を扱える。


 魔法を封じる枷は魔族にとって最悪の拘束具であり、これを付けている限り魔族は人間とあまり変わらないそうだ。


 今も俺が殺されていないのはそのお陰だろう。



「おっ゛♡ くぅ、き、貴様ら、絶対に殺してやるぅ♡」



 殺すとは口で言いつつも、抵抗は弱々しい。


 じわじわと効いている淫紋のお陰だろうが、このままでは何ヵ月も時間がかかるだろう。


 その方が攻略し甲斐があるが、ミディエラたちを放置することになってしまうので俺の望むところではない。


 どうやってルキエルを攻略しようか考えていたその時、不意にソフィアがある提案をしてきた。



「でしたらいっそ、一対一の決闘で負けた方が絶対服従というのは如何でしょう? 無論、彼女の手枷を外して」


「え?」



 ちょっと何言ってんのか分かんなかった。


 いくら進化して図体がデカくなったとは言え、俺は魔法が少し使えるだけのゴブリンだ。


 正面から戦って勝てるほど強くはない。



「そ、そうだ!! そこのエルフ、いいことを言うではないか!! おい、ゴブリン!! 我と一対一で戦え!!」


「えぇ……」



 ルキエルは完全にノリ気のようだ。



「どうするんだ、ソフィア。枷を外した状態のルキエルがどれくらい強いか分かんないけど、俺じゃ勝てないぞ」


「ご心配なく。私の予想が正しければ、アースさまが負けることはないかと」


「予想が外れてたら?」


「……ご心配なく」


「ちょ、最初の間はなんだ!! めちゃくちゃ怖いんだが!!」



 かなり不安だが、ソフィアは何かしらの確信があって提案したようだった。


 ……まあ、信じてみるか。



「ふっ、ふはははは!! 枷が外れた!! これで我は自由だ!!」



 枷を外した瞬間、ルキエルが高笑いして全身から凄まじい魔力を迸らせる。


 凄まじいプレッシャーだ。


 その圧倒的な存在感を前に、思わず呼吸すら忘れてしまいそうになる。


 ……ふと思ったのだが、枷が外れて魔法が使えるようになったのに、わざわざ俺と決闘する必要があるのだろうか。


 ルキエルが本気で逃げ出せば、俺たちでは再び捕まえることはできない。


 あ、問答無用で殺しに来る可能性もあったな。


 いやまあ、うっすらでも淫紋が刻まれている以上は俺を攻撃することはできても殺害まではできないと思うが。


 次からは気を付けよう。



「さあ、行くぞ!! 貴様を半殺しにして従え、我が再起するための礎にしてやろう!!」


「!?」



 次の瞬間、ルキエルは呪文の詠唱を始めた。


 詠唱と共にルキエルの手のひらに集束する凄まじい魔力量。

 ハイデ村が消し飛ぶ威力の魔法を使おうとしていることは一目見て分かった。


 しかし、俺は何が起こったのか分からなくてその場で立ち尽くしてしまう。


 ルキエルの詠唱が遅いのだ。


 いや、実際のルキエルの詠唱はかなり速く、その速さはロリエッタ以上。


 それでも――遅く感じる。



「ふんっ!!!!」


「がはっ!?」



 俺は詠唱に集中して無防備なルキエルの胴体に拳を叩き込む。


 自分が思っている以上に速く鋭い拳を。


 ルキエルの身体がくの字に曲がり、呪文の詠唱を無理やり中断させる。



「な、なんだ!? き、貴様、何をした!?」


「いや、無防備だったから殴っただけで……」


「無防備だと!? この我が呪文の詠唱中に敵の攻撃を警戒しないわけがないだろう!?」


「え、あ、そう?」



 しかし、実際にルキエルに隙があったから拳を叩き込めたのだ。


 何が起こったのか分からなくてルキエルと二人で困惑していると、不意にソフィアがくすくすと笑った。



「やはり、思った通りです!!」


「ソフィア、何か知ってるのか?」


「はい!! ゴブリンキングは配下の数が多いほど強くなる特性があるんです!!」



 配下の数が多いほど、強くなる!?



「……ルキエルの詠唱が遅く感じたのも、ゴブリンキングの特性で俺が強くなったから、か?」


「な、なんだそれは!! 卑怯ではないか!!」



 ルキエルが顔を真っ赤にして怒鳴る。


 そう言われても、俺だってたった今知ったことだからな……。


 でもまあ、勝ちは勝ちだ。



「じゃあ約束通り、ルキエルは今から俺に絶対服従だ」


「わ、我はまた負けてなどいない!!」


「ふんっ!!」


「ひぎ――ッ♡♡♡♡」



 ルキエルがまた呪文を詠唱しようとしたので、再び拳を叩き込む。


 すると、彼女はビクンと身体を震わせた。



「な、なんだ、な、殴られたところが、お腹の奥が疼くっ♡」


「……ん? 淫紋の光が強くなったか?」


「うぐっ♡ な、なぜだっ♡ 目の前のゴブリンがっ♡ だんだん愛おしく……っ♡」


「ふむ?」



 俺はもう一発だけ、今度は更に強めにルキエルの腹を殴った。

 すると、痛みで蹲るルキエルの淫紋はますます強く光って濃くなる。


 まさかとは思うが、腹パンで心が折れそうになっているのか?


 ……女の子を痛めつけて楽しむような趣味はないが、ルキエルの心をへし折るために必要なら仕方ないよな。



「ふんっ!!!!」


「おぐっ♡♡♡♡」



 何度か腹パンした後、ルキエルの淫紋は更に濃くなってきたが……。


 十回目を越えた辺りで罪悪感が凄い。


 ある程度淫紋も濃くなったし、あとはいつも通りに抱くだけにしよう。


 そう思って俺は蹲るルキエルの前に立ち――



「大丈夫か?」


「っ♡ あっ♡ や、やめろっ♡ 今優しくされたら、堕ちりゅっ♡」


「!?」



 できるだけ優しく声をかけただけで、ルキエルの淫紋が完全に浮かび上がった。


 え? 今ので? なんで?



「流石はアースさま♡ 圧倒的な力の差を見せつけてから優しくすることでルキエルを堕とすなんて♡ テクニシャンですね♡」


「いや、そんなつもりは……」


「はあ♡ はあ♡ お、おい、ゴブリン♡ いや、アース♡ あぁ♡ 名前を呼ぶだけで気持ちよくなるっ♡ 早く我をめちゃくちゃにしてくれっ♡」



 ……まあ、別にいいか!!


 俺は構わずルキエルを抱いて、魔族の奴隷美女をハーレムに加えるのであった。






―――――――――――――――――――――

あとがき

どうでもいい小話


作者「……ごめん……ごめん……作者は強気な美女が腹パンで負けるシチュが好きなんだ……イチャラブ純愛派の皆、ごめん……」


ア「うわあ……」



「ルキエルかわそかわいい」「腹パン即堕ちシチュが好きなの分かる」「そのあとでイチャラブならオッケー」と思った方は、感想、ブックマーク、★評価、レビューをよろしくお願いします。

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