第37話

その3



「律也君…、アンタ、ユウトとは交わらなかったんだよね?」



「ええ」



「でも、イッたんだよね?二人とも…」



「ええ…」



「じゃ、擦りつけあってとかで…❓それとも手で相手のを触り合ったのかな❓」



「前者です…」



「そうか~…」



ここでのチヅルは、まず、好奇心旺盛このかたない早熟女子校生の赤裸々な鼓動に従った、童貞略奪を目的としていたであろう。

ではあるが…!



短い時間ながら、チヅルは色好奇の刈りどころに定めていた律也の淫靡で純朴な自己を責め質す素の姿を垣間見て、この16歳の少女にも、どこか母性愛らしきキモチが湧きだし、そこのところの想いで年下の少年へフレーフレーを送っていた自分に気づいたのだ。



で、二人は今からのその先を悟り、互いがカラダをべったりと密着させた中…、二人の会話は何気に”中心”へと近づいていた。



***



「律也…!私がアンタの抱えてる悶々を吸い取ってあげるから…💖」



意を決したか、チヅルは相互横抱き状態の体勢から一旦離れると、再び律也の正面になだれ落ちながら、その勢いで仰向けになったカレの真上に跨った。



「服着たままでヤロ!」



律也に乗っかった…、いや、跨ったチヅルは、とにかく下半身をこすり合わせた。

その動きはピストンではなくスライド…。



それはまるで突起した丘を撫でる波のように…。

そしてイメージ音感で言えばキュッキュッ…。

馬乗りでのキュキュッと…、そんな響きだった。



***



「なんだか、めちゃくちゃいい…」



「うん…💛なら、そろそろワタシに突入できる?」



「あの…、やっぱ、避妊グッズ着用ですよね?」



「うん、それはゼッタイだから…。でも、ほら、枕の下に用意してるし…(こぼれ笑)」



「あの…!オレ、”それ”付けてからじゃ多分元に戻っちゃうと思うんだ。だから…、ギリギリまで”それ”ハメないで続けて欲しんだ」



「…」



思春期ど真ん中のヘンテコ即席カップルは、かくもコアに互いの性欲望と向きあっていた。

歪んだ視界の向こうがまっすぐだと信じて…?



で…、その間二人の視線は、ひたすら律也のズボン…、チャックに沿ったあたりに落とされていた。



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